【サンパウロ綾村悟】麻薬密売組織による凶悪犯罪が社会問題となっている南米エクアドルで17日、組織犯罪を主に担当している検察官が同国西部のグアヤス県グアヤキル市内で射殺された。
エクアドルでは近年、隣国のコロンビアやペルーから麻薬密売組織が流入。特にエクアドル最大の港湾都市グアヤキルは、複数の犯罪組織による抗争が勃発するなど、凶悪犯罪が急増していた。麻薬密売組織は、グアヤキルを米国やメキシコ向け麻薬の中継地としている。
射殺された検察官は、今月9日にグアヤキルのテレビ局が武装グループによって襲撃・占拠された事件を担当していた。襲撃犯は治安当局によって全員拘束されており、麻薬密売組織の関与が疑われている。
エクアドルでは、今月に入ってから国内各地の刑務所で暴動が発生しているほか、警察官が誘拐・殺害される事件が相次いでいる。ノボア大統領は、非常事態を宣言すると同時に、麻薬密売などに関与する犯罪組織をテロリストに指定し、国内全域で国軍と警察による検問などを強化している。