【サンパウロ綾村悟】反米左派オルテガ大統領による独裁が続いている中米ニカラグアで21日、「国家反逆罪」で収監されているアルバレツ司教(カトリック教会)を支持したとして、同国北部シウナ教区のモラ司教が逮捕された。
ニカラグアでは、左翼ゲリラ・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)のリーダーだったオルテガ氏が、2006年から長期政権を築いており、反大統領派や野党関係者、宗教関係者に対する激しい弾圧を続けている。
21年の大統領選挙では、4選を狙うオルテガ氏の対抗馬だった野党の主要大統領候補や反大統領派の指導者、マスコミ関係者らが次々と拘束され、中道右派の野党連合は出馬資格までも剥奪された。
こうした中、22年8月にマダガルバ教区のアルバレツ司教がオルテガ政権の独裁化を批判すると、治安当局は同司教を「大衆を扇動した」容疑で自宅軟禁下に置いた。
ニカラグア政府は今年2月、アルバレツ司教を含む政治犯222人を釈放、市民権を剥奪した上で国外追放処分にした。しかし、アルバレツ司教は国外追放処分に従わなかったため、「国家反逆罪」の容疑で起訴・収監されていた。