
【サンパウロ綾村悟】ブラジルのセルソ・アモリン元外相は18日、来年11月にリオデジャネイロで開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)にロシアのプーチン大統領を招待する意向であることを明らかにした。アモリン氏は、ルラ大統領の外交顧問。
アモリン氏はオンラインメディア「UOL」とのインタビューで、「プーチン大統領には(G20)に来ていただきたい。ロシアのいないG20サミットは不完全であり、グローバルガバナンスの改革を協議する場にロシアがいないことはありえない」とG20サミットにロシアの参加が不可欠だと強調した。
一方、ロシア寄りと言われるブラジルの左派ルラ大統領も9月、プーチン氏をブラジル開催のG20サミットに招待する意向を示して物議を醸した。当時、ルラ氏は「プーチン氏はブラジルでは逮捕されない」と述べ、メディアから「司法の独立性に反する」などと追求された。ブラジルは現在、G20で議長国を務めている。
ルラ氏は、大統領選挙中の昨年5月には、「ウクライナにも戦争責任がある」「われわれを戦争に巻き込まないでほしい」などとロシア寄りの発言を行い、国内世論がウクライナ支持に傾く中で批判を集めた経緯がある。
プーチン大統領に関しては、ウクライナの占領地から子供をロシアに連れ去った「戦争犯罪」に関与したとして、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)から逮捕状が出されている。ブラジルはICC加盟国で、プーチン氏がブラジルを訪問した場合には、身柄拘束などに協力する義務を負っている。
プーチン氏は、今年9月にインドで開催されたG20サミットには出席しなかった。