トップ国際中南米英ネイチャー誌 「今年の10人」にシルバ環境相 アマゾン熱帯雨林の消失削減

英ネイチャー誌 「今年の10人」にシルバ環境相 アマゾン熱帯雨林の消失削減

【サンパウロ綾村悟】英科学誌「ネイチャー」は13日、科学分野で重要な貢献をした「今年の10人」に、ブラジルのマリナ・シルバ環境・気候変動担当相を選出した。

ネイチャー誌は、シルバ氏の受賞理由として、世界各地で記録的な地球温暖化や熱波が伝えられる中、気候変動の抑制に欠かせない存在と見られているアマゾン熱帯雨林の消失を大幅に削減し、世界に向けて希望的なメッセージを伝えたと称賛した。

シルバ氏は、今年1月にルラ新政権の誕生と共に環境・気候変動担当相に就任。アマゾン熱帯雨林の保護に向けて違法伐採を取り締まる監督官庁の強化や衛星などを利用した監視活動の再編、「アマゾン基金」の再開などに尽力してきた。今年1~7月のアマゾン熱帯雨林での森林消失量は、前年比で43%減だった。減少幅としては過去5年間で最高の記録だという。

膨大な二酸化炭素を吸収する世界最大のアマゾン熱帯雨林の保護は、世界的にも注目されている。ルラ大統領は「2030年までにアマゾン熱帯雨林の消失量を実質的にゼロにする」との目標を掲げており、ノルウェーやドイツ、米国などが「アマゾン基金」への資金提供を申し出ている。

シルバ氏は、環境保護活動家として世界的にも知名度が高い。一方、最近では、ブラジルの東北部で発見された大規模な海底油田をめぐり、世界的にも貴重な東北部沖合のサンゴ礁を守るべきだとして試掘許可を出さないシルバ氏と、与党内の開発派の対立も伝えられている。

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