トップ国際中南米米・ガイアナ演習は「挑発」ベネズエラが反発

米・ガイアナ演習は「挑発」ベネズエラが反発

【サンパウロ綾村悟】南米の反米左派ベネズエラのロペス国防相は7日、隣国のガイアナと米国が共同軍事演習を行うと発表したことに対して、「挑発行為だ」と批判した。

ベネズエラでは、今月3日にガイアナの「エセキボ地域」の領有化に関する国民投票が賛成多数で可決されたことを受けて、マドゥロ大統領がエセキボ地域を含む新たな州の創設を指示するなど、同地域の併合に向けた準備を進めている。

こうした中、米政府は7日、エセキボ地域の領有維持を目指すガイアナへの「揺るぎない」支持を表明、ガイアナ領内で「航空作戦」という形での合同軍事演習を行うと発表した。

ガイアナ領の3分の2を占めるエセキボ地域の大西洋沖では、2015年以降に原油埋蔵量で世界7位のクウェートにも匹敵するほどの油田が見つかっており、27年までに隣国ベネズエラを超える原油生産大国となる可能性が高い。

ベネズエラは、世界有数の産油国だったが、投資不足や米国による経済制裁などにより、近年は原油生産量が激減している。

エセキボ地域の領有に関しては、ベネズエラとガイアナが1世紀以上にわたって争ってきたが、油田の発見が、近年のベネズエラ政府による領有権主張を強めた。チャベス大統領は、ガイアナとの国境付近における国軍増強やエセキボ併合を前提とした「新たな地図」の作成と配布も指示している。

ガイアナのアリ大統領は7日、ベネズエラ側のこうした動きを批判、国際司法裁判所(ICJ)が1日に出した「エセキボ地域のガイアナによる管理は有効」との判断をベネズエラ政府は無視すべきではないと主張している。

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