【サンパウロ綾村悟】ブラジルのルラ大統領は13日、首都ブラジリアにある空軍基地の式典で演説し「無実の市民を虐殺するこれほど非道な行為を見たことがない」と述べ、イスラエルによるガザへの報復行為を非難した。
政府系ブラジル通信が報じた。
ルラ氏は、ハマスによるイスラエル市民の殺害や誘拐を「テロ行為だ」と認めながらも、「イスラエルも非戦闘員の子供や女性を殺害するテロ行為を行っている」「イスラエルがガザ地区で行っていることは、ハマスと同じことだ」などと主張した。
ブラジル通信は、ガザの医療関係者からの情報として、イスラエルの報復攻撃で死亡した約1万1000人のうち、こどもが40%を占めていると報じた。
ブラジリアの空軍基地では同日夜、ブラジルの大統領専用機でガザから避難した32人のブラジル人が到着し、ルラ大統領が出迎えていた。
一方、ブラジルのイスラエル団体関係者は13日、ルラ大統領の演説内容に関して、「イスラエルとテロ組織のハマスを同じだと断定することは非常に危険だ」などと批判した。