【サンパウロ綾村悟】アマゾン熱帯雨林保護のために設立された「アマゾン基金」に対して、米国とスイスから最初の資金供与があったことが確認された。ブラジルのフォーリャ紙(電子版)などが報じた。
アマゾン基金を管理するブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)によると、6日までにスイスから500万スイスフラン(約8億2500万円)、米国から300万㌦(約4億4500万円)が基金に振り込まれた。
バイデン大統領は今年4月、今後5年間で5億㌦(約744億円)をアマゾン基金に拠出すると発表していた。
アマゾン基金は、第1次ルラ政権の2008年、マリナ・シルバ現環境・気候変動担当相が中心となって、アマゾン熱帯雨林保護や温室効果ガスの削減を目的として創設したもの。シルバ氏は当時、環境相だった。
同基金には、ドイツとノルウェー政府、ブラジルの石油公社「ペトロブラス」が出資しており、ブラジル政府は他の先進諸国や企業にも出資を呼び掛けている。
現在、同基金には34億レアル(約980億円)が集まっており、人工衛星を利用した熱帯雨林の違法伐採監視など102のプロジェクトに資金が活用されている。
ブラジルのルラ大統領は、違法伐採の取り締まりや植林などを通じて、30年までにアマゾン熱帯雨林の森林減少を実質的にゼロにすることを公約としている。
また、アマゾン基金の最大20%は、ブラジルの他の森林やブラジル以外の国・地域の熱帯雨林保護のために利用することも可能だという。