
【サンパウロ綾村悟】南米パラグアイで15日、ペニャ大統領(44)が就任した。任期は5年で再選はなし。中道右派のコロラド党所属。
パラグアイは南米で唯一、台湾との外交関係を維持している。今年4月の大統領選挙では、ペニャ氏が台湾との外交関係維持を約束する一方、野党連合から出馬した中道左派のエフライン候補が台湾との外交関係破棄に言及、台湾問題が選挙戦の焦点となっていた。
就任式には、ブラジルのルラ大統領をはじめとする各国の要人に加えて台湾の頼清徳副総統も参列した。ペニャ氏は、就任式の演説で台湾との関係は「兄弟のようなものだ」と強調、台湾との関係維持に強い意思を示した。
頼副総統は、就任式前日の14日にペニャ氏と会談を行った他、アブド前大統領や国会関係者とも会談、両国関係の強化を確認した。
パラグアイは近年、好調な大豆や牛肉の輸出で経済は好調だが、依然として失業や貧困率が高く経済の多角化が不可欠とされている。元財務相のペニャ氏が率いる新政権には、台湾との経済協力などを通じて新たな産業や雇用の創出が求められている。
また、国内には、農業団体などを中心に中国との貿易や国交を求める声も多く、台湾問題は引き続き国内政治の争点となりそうだ。