トップ国際中南米干ばつで通航制限長期化 パナマ運河 貨物輸送費の高騰も

干ばつで通航制限長期化 パナマ運河 貨物輸送費の高騰も

【サンパウロ綾村悟】中南米を襲っている深刻な干ばつの影響により、太平洋と大西洋を結ぶ世界の海運の要として知られるパナマ運河の通航制限が長期化している。

パナマ運河庁は3日、干ばつによる水位の低下のため、来年9月まで1日に通過できる船舶量を16%前後削減すると発表した。運河収入も年間で約2億㌦(約280億円)減少する見通し。

近年は、気候変動が原因とみられる人造湖の水位低下により、しばしば大型船舶の運航制限や通行料の値上げが行われてきた。ここまで深刻な干ばつの影響を受けるのは、同運河の歴史の中で初めてのことだという。

パナマ運河は1914年に開通、現在は年間約1万3000隻の船舶が運航し、世界の海上輸送の6%に相当する約1億9000万㌧の貨物が行き交う海運の要衝だ。

そのため運航制限は、荷物の積み替えや迂回(うかい)航路など貨物輸送費の高騰につながりかねない。すでに、米や小麦などの食糧は、ウクライナ侵攻の影響などで安定した価格での供給が難しくなっている。

一方、干ばつは、アルゼンチンでも、小麦などの収穫量の大幅減とそれに伴う不況や通貨安による経済危機をもたらしている。

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