【サンパウロ綾村悟】ブラジルのボルソナロ前大統領が12日、首都ブラジリアで連邦警察による聴取に応じた。連邦警察によるボルソナロ氏への聴取は4度目。今回の聴取内容は、ルラ大統領が勝利した昨年10月の大統領選挙の結果を覆すための選挙高裁を巻き込んだ計画に関するものだった。ブラジルの大手週刊誌ベジャは今年2月、ボルソナロ氏が高等選挙裁判所(TSE)の長官を巻き込む形で労働党政権への政権交代阻止を図っていたと報じた。
報道はボルソナロ派のド・バル元上院議員の証言によるもので、同氏は政権交代前の昨年12月、大統領官邸でボルソナロ氏との会合に出席した。ボルソナロ氏の側近が同氏にTSEのモラエス長官に電話をかけるように求めた。報道によると、モラエス長官から問題発言を引き出し、長官を拘束して選挙結果を覆す意図があったという。ボルソナロ大統領は12日の聴取後に連邦警察前でメディアに対し、ド・バル氏との会合は認めたが、政権交代につなげるような計画は一切なかったと強調した。





