
【サンパウロ綾村悟】ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は6日、アマゾン熱帯雨林の今年上半期の消失量が、前年比で33・5%減少したと発表した。2019年以降で最小。INPEによると、上半期の森林消失面積は2649平方㌔(東京23区の4倍以上に相当)。
シルバ環境相は同日、「ルラ政権下でのアマゾン保護への取り組みの成果が数字に表れている」と強調した。ルラ大統領は、2030年までにアマゾン熱帯雨林の消失量を違法伐採の阻止や植林などによって実質的にゼロにする方針を明らかにしている。
一方、世界自然保護基金(WWF)は昨年10月、アマゾン熱帯雨林が「限界点」に近づきつつあると警告していた。熱帯雨林が森林としての機能を維持できずに「サバンナ化(草地)」し、地中に蓄えられた膨大な量の二酸化炭素が放出され、地域の気候や生物多様性に多大な影響を与えるというものだ。WWF関係者は、「希望的な(INPEからの)データだが、森林破壊は依然として多い」と森林保護活動の継続を求めている。