【サンパウロ綾村悟】ブラジルの高等選挙裁判所(TSE)が権力乱用などの疑いでボルソナロ前大統領の被選挙権を8年間停止するとの判決を下したことを受けて、野党の国会議員から恩赦を求める署名が集まっていることが分かった。ブラジルメディアが2日付で報じた。
選挙高裁は先月30日、保守派のボルソナロ氏が昨年7月に各国大使などを前にして電子投票を採用しているブラジルの選挙制度を批判したことに対して、権力乱用に当たるとした。最高裁で確定すれば、ボルソナロ氏は2026年の大統領選挙に出馬できない。
こうした中、上下院で最大勢力を持ち、ボルソナロ氏が名誉総裁となっている右派・自由党(PL)などの議員が中心となって、被選挙権停止の恩赦を求める署名が集まり、2日の時点で65人に上っている。署名を行った議員の中には、連立与党に所属する議員も含まれており、現地では裁判の行方を含めて大きな注目を集めている。