【サンパウロ綾村悟】ブラジルで現在、同国の連邦共和国憲法をアマゾン熱帯雨林地域で利用されている先住民言語「ニェエンガトゥ語」に翻訳する作業が進んでおり、今年10月にも公開式典が行われる予定だという。政府系ブラジル通信が18日付で報じた。
報道によると、翻訳作業は、ブラジル国会図書館の監修の下で先住民言語の専門家や法律専門家によって進められており、完成すれば、世界でも珍しい先住民言語に翻訳された憲法になる。公開式典はアマゾナス州のサン・ガブリエウ・ダ・カショエイラで行われる。
ニェエンガトゥ語は「アマゾン一般言語」とも呼ばれる。アマゾナス州のリオネグロ地域で現在も使われており、トゥピ・グァラニー語族に属する。先住民と非先住民、さらには部族が違う先住民同士を結ぶ共通言語としても利用されており、サン・ガブリエウ・ダ・カショエイラでは公用語としても認められている。
ブラジル地理統計資料院(IBGE)によると、同国内では先住民や移民を含めると300近い言語が利用されており、ブラジル国会図書館はそれぞれの言語に関する資料や情報の収集を急いでいる。