【サンパウロ綾村悟】中国を訪問中のブラジルのルラ大統領は13日、上海で新開発銀行(NDB)の本部を訪問、新興5カ国(BRICS)諸国間の貿易では人民元を含む自国通貨で決済できるようにすべきだと主張した。
新開発銀行は通称「BRICS銀行」とも呼ばれ、ブラジルや中国、ロシアなど新興5カ国が15年に共同設立した国際開発銀行。ルラ大統領と同じ労働党(PT)のルセフ元ブラジル大統領が13日、同銀行の新総裁に就任した。
ルラ氏は、新総裁の就任式に出席すると、あいさつの中で「なぜ自国通貨で決済できないのか、単一通貨という思い込みに縛られているのではないか」「21世紀に新たな試みが行われてもよい」などと主張、BRICS内で自国通貨による貿易決済ができるようにすべきだと述べた。