【サンパウロ綾村悟】ブラジル外務省は17日、ルラ大統領が26日から31日の日程で中国を訪問すると発表した。ブラジル・メディアによると、訪中は習近平国家主席の招待によるもので、習主席との会談が予定されている。経済協力の強化や気候変動問題、ウクライナ情勢などが議題に上るものとみられている。
訪中は、1月1日の就任後初めて。第1次ルラ政権(2003~11年)を含めると3回目となる。
ブラジルにとって中国は米国を超える最大の貿易相手国だ。鉄鉱石や大豆、牛肉などを輸出しており、訪中には、240人もの企業関係者や国会議員、州知事らが同行する。ルラ氏は、2月に米国を訪問してバイデン大統領と会談したが、今回の訪問団の規模は、それをはるかに超える。
一方、ウクライナ情勢では、ブラジルと中国は独自の停戦案を提案している。習主席は、20日から22日の日程でロシアを訪問する。ブラジルは、中国やインドと停戦に向け協力する可能性も示唆しており、訪中時の習主席との会談でウクライナ情勢が議題に上る可能性は高い。
中国外務省は17日、「中国とブラジルは、共に発展途上の大国で包括的な戦略的パートナーだ」との声明を発表、ルラ政権との関係強化が欠かせないことを強調した。