【サンパウロ綾村悟】南米ペルーでボルアルテ新大統領の辞任を求める反政府デモが激化しており、現地当局は21日、世界遺産マチュピチュと同遺跡につながるトレッキングルートを閉鎖することを決定した。期限は決まっていない。
ペルーでは、急進左派カスティジョ前大統領の逮捕に抗議するデモが拡大、過激化しており、これまでにデモ隊と治安部隊の衝突などで46人が死亡する事態になっている。
カスティジョ氏は昨年12月、議会での弾劾決議を受けて失職、これに先立ち議会の解散などを求めたために「反逆罪」などの容疑で拘束されていた。
マチュピチュ遺跡への入り口に当たるクスコ市でも、空港や鉄道施設、商店などへの襲撃が発生、今月12日には空港が閉鎖されていた。
ボルアルテ大統領は、大統領選挙の前倒しを決めるなどデモの沈静化に動いているが、現時点での効果は限定的だ。
マチュピチュは、インカ時代の古代遺跡でアンデス山脈の標高2400㍍の高さにあることから「空中遺跡」とも呼ばれる