【サンパウロ綾村悟】深刻な経済危機に直面しているキューバからブラジルへの昨年の難民申請数が、過去最高となっていることが分かった。ブラジルのフォーリャ紙(電子版)が報じた。
同紙によると、昨年1月~11月までのキューバ国籍保有者による難民申請数は、ベネズエラに次ぐ4241人に達した(ブラジル政府機関調べ)。
キューバでは、新型コロナウイルスの流行が、主要な外貨獲得源でもある観光業に深刻な打撃を与えており、そこにウクライナ侵攻によるエネルギー高騰が追い打ちをかけた。昨年のインフレ率は200%近くに達した
昨年12月には、ディアスカネル大統領がロシアや中国などを訪問して支援を取り付けたが、国民の生活は依然として厳しい状態にある。
キューバ人の亡命・避難先として最も人気があるのは米国だが、申請基準や不法移民への取り締まりが厳しく、ブラジルに向かうキューバ人が増えている。また、ブラジルの医者不足を補うために、前ルラ政権下で大量に雇用されたキューバ人医師の多くが、雇用終了後にブラジルに亡命し、その親族がブラジルに向かうケースも少なくない。
ブラジル政府は、難民申請中のキューバ人に対して、ブラジル国内での就労や医療、教育へのアクセスを許可している。





