左派のルラ大統領が就任 ブラジル  演説で前政権の批判展開

1日、ブラジル大統領就任式の演説中、拳を突き上げるルラ大統領(左)(AFP時事)

【サンパウロ綾村悟】南米ブラジルで1日、12年ぶりの「返り咲き」となった左派のルラ大統領(77)が就任した。就任式が行われた首都ブラジリアの大統領府前には、数万人の支持者らが集まり、ルラ氏が所属する左派・労働党(PT)のカラーでもある赤色に広場が染まった。

就任式では前大統領が新大統領の肩に大統領綬をかける授与式が行われることが慣例となっているが、ボルソナロ前大統領が欠席したため、市民の代表としてごみ収集作業員の黒人女性がルラ氏に懸章をかけた

就任後の議会演説でルラ氏は、ボルソナロ政権の新型コロナ対策などを厳しく批判しながら、昨年10月の大統領選挙で保守と革新に大きく分断された国家を再建すると約束した。

また、ボルソナロ政権下でアマゾン熱帯雨林などの森林破壊が拡大したと批判し、環境保護を重視する姿勢も示した。

国内政策としては、コロナ禍で拡大した貧困や格差の縮小を公約として掲げており、社会保障費の増大に加えてボルソナロ政権下で進んでいた民営化も再考される可能性が高い。

一方、ボルソナロ前大統領は大統領選挙での敗北を認めておらず、1日の就任式も欠席。現在は米フロリダに滞在中とされる。

ブラジルではボルソナロ支持派らが各地でデモを継続しており、保守と革新の対立は今後も続くことが予想される。先月12日には、過激化したボルソナロ氏の支持者らが、連邦警察の本部を襲撃する事件なども発生している。

ルラ氏は、第1次ルラ政権下の2010年に世界で初めてパレスチナ国家を承認し、その後、アルゼンチンやボリビアなどの南米左派政権がブラジルに続いた経緯がある。現在、南米10カ国のうち7カ国が左派政権となっており、ルラ新政権は、再びこれらの左派南米諸国と連携して国際外交を行うことも予想される。

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