ブラジル首都大統領就任式に向け
【サンパウロ綾村悟】ブラジル最高裁のモラエス判事は28日、大統領就任式の安全性を確保するため、首都ブラジリアでの銃器・銃弾の携行を一時的に禁止すると発表した。同日付で発行し、1月2日まで携行許可証の有無にかかわらず禁止される。
ブラジリアでは、1月1日に左派ルラ次期大統領(77)の就任式が行われる。10月30日の決選投票では、保守派の現職ボルソナロ大統領が僅差で敗れ、今でも全国各地の軍司令部前などでボルソナロ氏の支持者によるデモが続いている。
こうした中、12日には、連邦警察本部がボルソナロ氏の支持者によって襲撃される事件が起きた。さらに、24日には、ブラジリア国際空港近くで爆弾騒ぎが発生。爆弾事件は就任式の妨害が目的だったとされている。
こうした事態を受け、ディノ次期法相らが、警備体制の強化と共に大統領就任式前後の銃器携行禁止命令を出すように最高裁に求めていた。
大統領就任式に向けて、ブラジリアでは前例がない規模の厳戒態勢が敷かれている。ブラジリア直轄区の警察官に加えて、千人以上の連邦警察官と国軍部隊が動員される予定だという。