【サンパウロ綾村悟】ブラジルの首都ブラジリアの警察当局は24日、空港近くのタンクローリーに爆発物を仕掛けた容疑で、パラー州在住の54歳の男性を逮捕した。ブラジルメディアが26日までに報じた。
現地報道によると、警察は24日朝(日本時間24日夜)、ブラジリア国際空港の近くで爆発物が仕掛けられているとの通報を受けて出動。その後の捜査で、ボルソナロ大統領の支持者だという北部パラー州でガソリンスタンドを経営する男性を爆発物不法所持などの容疑で拘束した。
容疑者は、空港で爆発物を爆発させることで、1月1日に実施される予定の左派ルラ次期大統領の就任式を延期させることが目的だったと警察に供述している。容疑者がブラジリア市内に借りていたアパートからは、大量の銃や弾薬、爆発物が発見された。
ブラジルでは、ボルソナロ大統領の熱心な支持者らが、今でも国内各地の国軍基地前で左派ルラ次期大統領の就任阻止を求める抗議デモを続けており、「国軍の政治介入」を求める声も上がっている。
今回の事件を受けて、ディノ次期法相は26日、大統領就任式の警備を強化する方を発表した。
保守派のボルソナロ大統領は、10月30日の決選投票で敗れた後も敗北を認めていない。また、ボルソナロ氏は、政権移行には協力的だが、大統領就任式で恒例となっている大統領綬(儀式で使用する肩がけの記章)の授与式に参加しないことを明らかにしている。