
【サンパウロ綾村悟】南米ブラジルの左派・ルラ次期大統領は2日、来年1月1日の大統領就任前に訪米し、バイデン米大統領と会談する意向を明らかにした。ブラジルメディアが報じた。
ルラ氏によると、訪米は選挙高裁(日本の中央選管に相当)が大統領の当選を確定する12日以降になる見通しで、米ブラジル関係や気候変動問題、ウクライナ情勢などを協議する見通し。ルラ氏はウクライナ戦争の継続に強く反対している。
また、5日には、バイデン政権のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)がブラジルを訪問し、首都ブラジリアでルラ氏と会談を行う予定。この会談で、サリバン氏が、公式にルラ氏をホワイトハウスへ招待する可能性が高いという。
ルラ氏は、10月30日の大統領選挙決選投票で保守派の現職ボルソナロ大統領に僅差で勝利を収めた。バイデン氏は、ルラ氏当選を受けて祝辞を送っている。
ルラ氏は2日、「米国はブラジルと同じように民主主義の問題を抱えている。トランプ前大統領が米国に与えたダメージと同じようなものを、ブラジルもボルソナロ大統領から受けてきた」と言明、トランプ支持派のボルソナロ政権下で低迷していた米国との外交関係修復にも前向きな姿勢を見せている。
ルラ氏の側近によると、複数の国から就任前の招待を受けているが、日程的な理由から訪問は米国とアルゼンチンの2国になる見通し。





