【サンパウロ綾村悟】南米ブラジルで２日、大統領選挙の結果に不満を抱く保守派ボルソナロ大統領の支持者らが各地で抗議デモを繰り広げた。30日に実施された大統領選挙では、左派ルラ元大統領が僅差でボルソナロ氏に勝利していた。
抗議デモはサンパウロ州など22州で行われ、主要都市では数千人から最大３万人が参加。サンパウロ市の軍施設前では、デモ参加者から軍の介入を求める声も上がったが、国軍関係者は選挙結果と距離を置く姿勢を貫いている。
一方、全国４００カ所以上の幹線道路に拡大したボルソナロ派のトラック運転手らによる道路封鎖は、連邦警察の発表によると３日朝時点で86カ所で続いている。これにより物流や人の往来に深刻な影響が出ている。
サンパウロ州ミラソル市では２日午後、28歳の男性が運転する乗用車が道路封鎖をしていたデモ隊に突入し、子供２人を含む28人が重軽傷を負う事件が発生した。容疑者の動機などについては捜査中だという。
ボルソナロ氏は１日に発信した声明で「平和的なデモ」を行うように支持者らに呼び掛けたほか、２日には道路封鎖を解除するよう求めた。
