【サンパウロ綾村悟】コロンビア政府と同国最大の左翼ゲリラ、民族解放軍(ELN)は4日、ベネズエラの首都カラカスにおいて、ドゥケ前政権下で中断していた和平交渉の再開に合意する文書に調印した。和平交渉は11月の第1週から開始される予定。
和平交渉の仲介役には、ノルウェーとベネズエラ、キューバ政府に加えて、コロンビアの非政府組織も入る見通し。コロンビア政府と民族解放軍の代表は同日、「和平交渉再開はコロンビアの平和を築くために欠かせないものだ」との共同声明を発表した。
民族解放軍は、1965年に設立された親キューバ系の共産主義系武装組織。推定武装構成員は2500人で、爆弾テロや身代金などを目的とした誘拐などを行ってきた。コロンビア政府とは、16年から和平交渉を続けていたが、21年に同組織が起こしたとされる22人の犠牲者を出した爆弾テロを受け、保守派のドゥケ大統領が交渉を中断していた。