【サンパウロ綾村悟】南米ベネズエラ政府は1日、同国が拘束していた元米海兵隊員2人とベネズエラ石油公社(PDVSA)の米国子会社の社員5人の米国人7人を解放した。囚人交換として、米当局が麻薬に絡む罪で逮捕し、米国内で収監していたマドゥロ大統領の親族2人も釈放された。
バイデン米大統領は、声明で「不当な拘束だった」「間もなく家族と再開することができる」などと述べ、成果を強調した。
米国は、ベネズエラに対して厳しい経済制裁を行っている。一方で、米政府は、ロシア産原油の輸入凍結などの影響で高騰したエネルギーの輸入先として、反米左派マドゥロ政権との対立緩和の道を探している。厳しいインフレの圧力に悩まされる米政権にとって、ベネズエラからの原油輸入拡大はインフレ緩和にもつながる。
ベネズエラ側も、厳しい経済状況が続く中で制裁緩和を求めており、今回の囚人交換は関係改善を模索する両者の思惑が一致した形だ。