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アマゾンの森林火災急増―ブラジル

深刻な森林消失に直面するアマゾン熱帯雨林

【サンパウロ綾村悟】アマゾン熱帯雨林で、今年度発生した森林火災の数が、すでに昨年全体の発生件数を上回っていることが分かった。ブラジル国立宇宙研究所(INPE)が19日に発表した統計から明らかになった。

INPEの統計資料によると、今年1月1日から9月18日までに確認されたアマゾン熱帯雨林での森林火災は7万5592件、昨年1年間の発生件数は7万5090件だった。 アマゾン熱帯雨林では、通常10月初旬まで乾季が続くため、今年の森林火災発生件数は、近年にない数字となる可能性もあるという。これまでの最高記録は、2004年の21万8636件だった。

森林火災の多くは、農場や牧場を開発するための「野焼き」が原因とされており、世界的な食料高騰が開発に拍車を掛けている。中国向けのブラジル産牛肉や大豆の輸出量も激増している。

気象学の専門家は、特に森林破壊の進行が激しいアマゾン熱帯雨林の東部では、降雨量の減少などで「サバンナ化」が始まっている可能性が高いと警告している。

近年、ブラジルでは、砂嵐の発生や竜巻、記録的な集中豪雨など、以前には見られなかったような異常気象が増えており、アマゾン熱帯雨林や、大西洋岸森林、中西部のパンタナールなどでの森林減少により、さらに気候が不安定になることも予想されている。

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