【サンパウロ綾村悟】南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで2日、クリスチナ・フェルナンデス副大統領(69)への暗殺未遂事件に反対する大規模デモが行われた。
事件は1日に発生、フェルナンデス氏が自宅前に集まった支持者らに対応していたところ、支持者に紛れた犯人が自動拳銃を眼前に突き出した。拳銃には実弾が装填(そうてん)されており、引き金が引かれたが、弾詰まりを起こして発砲されなかった。
数万人とみられるフェルナンデス氏の支持者らは、市中央の広場に集まり、憎しみと暴力に訴え掛けようとする蛮行に抗議した。
副大統領の暗殺未遂事件を受けて、キルチネル大統領は急遽(きゅうきょ)、2日を「民主主義と命を守り、副大統領を守るため」として祝日に指定していた。
現地当局によると、犯人はアルゼンチン在住のブラジル国籍の男性(35)。ネオナチの思想に傾倒している可能性が高いという。犯人の自宅からは、100発近くの実弾が押収された。