トップ国際中南米初の左派政権誕生へ コロンビア大統領選

初の左派政権誕生へ コロンビア大統領選

元ゲリラのペトロ氏が勝利

19日、ボゴタで、コロンビア大統領選の勝利を祝うペトロ氏(EPA時事)

【サンパウロ綾村悟】南米コロンビアで19日、ドゥケ大統領の任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が行われ、即日開票の結果、元左翼ゲリラのグスタボ・ペトロ上院議員(62)の初当選が決まった。歴代、親米政権が続いてきたコロンビアでは、初の左派政権誕生となる。就任式は8月7日。任期は4年で再選は禁止されている。

同国選管によると、開票率99・9%で、ペトロ氏が得票率50・4%、独立系の候補で建設会社を経営するロドルフォ・エルナンデス氏(77)が47・3%となり、ペトロ氏が勝利宣言した。

エルナンデス氏は、政界汚職の撲滅を強く訴えながらペトロ氏を猛追、一時は支持率で拮抗(きっこう)したが及ばなかった。同氏は、SNSを通じて「選挙結果を受け入れる」と敗北を認めた。

また、ペトロ氏と共に副大統領に立候補したフランシア・マルケス氏は、コロンビア初の黒人女性副大統領となる。

ペトロ氏は、コロナ禍で拡大した貧困・格差問題の是正を訴えて、貧困層や学生などを中心に幅広い支持を獲得した。富裕層への増税や高等教育の無償化に加えて、環境保護派としてコロンビアの主要輸出品でもある原油の新規開発停止を公約としてきた。自由貿易主義にも反対の立場を取る。

左派ゲリラ「M―19(4月19日運動)」出身だが、これまでに上院議員や首都ボゴタ市長を経験している。大統領選挙は今回で3度目の挑戦、2018年の大統領選挙では、決選投票まで進んだが親米右派のドゥケ氏に敗れた。

政界での経験は豊富なペトロ氏だが、国会内では野党が多数派を占めるため、就任後は国会対応などで政策変更を強いられる可能性もある。

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