沖縄系移民の懐の深さと絆の強さ ブラジルから

沖縄が本土に復帰して50年となった。ブラジルにも沖縄系の日系人は多く、比嘉さんや玉城さんなど、沖縄ゆかりの名字を持つ知人は少なくない。

筆者の出身地は沖縄ではないが、子供が現地の若者たちと一緒に沖縄の伝統芸能であるエイサーを学んでいたことから、沖縄の文化や音楽などに興味を持った。

数年前になるが、念願だった沖縄の地を踏むことができた時は感動だった。エメラルドグリーンの海に沖縄流のおもてなし、ブラジルのビーチとは違った素晴らしさを堪能した。沖縄戦で散った御霊に黙祷(もくとう)を捧(ささ)げたことは言うまでもない。

ブラジルで沖縄出身の方々とお付き合いをして感じたのは、その懐の深さと絆の強さだ。移住先で多くの苦労を体験したこともあるのだろう。困っている人を見ると放っておけない姿からは学ぶことも多かった。

絆の強さでは、特に驚いた出来事がある。ブラジル西部のマトグロソドスル州には、おそらく世界で最も多い1万人近くの沖縄系移民が住む。10年近く前になるが、沖縄県西原町出身者が集うお祭りに招かれた。州都カンポグランデに近い農場を持つ西原町出身者が場所を提供し、同町にゆかりのある数百人がエイサーや釣り大会、カラオケ、シュラスコを夜遅くまで楽しんでいた。

会場には、移民当時の写真などが貼られ、苦労のほどがしのばれたが、同時に家族を大切にする強い思いも伝わった。朗らかな笑顔の奥に垣間見える芯の強さ。地球の裏側でたくましく生きる沖縄の方々に敬意を払った時間だった。(S)