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アジア・オセアニアの最新記事

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ミャンマー少数民族、大規模攻勢から8カ月 辺境地域で国軍後退

ミャンマーの少数民族武装組織による国軍への大規模攻勢が始まったのは、昨年10月27日だった。あれから8カ月が過ぎた。中国が停戦仲介に乗り出したものの歯止めは効かず、国軍は辺境地域の支配権を失いつつある。(池永達夫)

死者出れば「戦争行為」 フィリピン大統領が中国に警告

シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で、南シナ海の領有権を巡りフィリピンと中国の激しいつばぜり合いが繰り広げられた。フィリピンのマルコス大統領は基調講演で、エスカレートする中国の威嚇行為に懸念を示し、一線を越えれば「戦争行為」になる可能性を示唆。中国側も領海に侵入した外国人を逮捕する権限を主張するなど、対立は強まる一方だ。

日中韓サミット、FTA推進で合意 強権中国に警戒を

韓国の首都ソウルで27日、日中韓首脳会談(サミット)が開催された。共同宣言には日中韓が自由貿易協定(FTA)締結に向け「交渉加速のための議論継続」と明記した。経済悪化に苦しむ中国側の要請を受けた合意とされる。だが安全保障観を欠いた経済的繁栄のシナリオは、砂上の楼閣にすぎない。

町長に「中国スパイ」疑惑 出生や経歴に矛盾-フィリピン

フィリピン北部ルソン島のタルラック州の町長に「中国スパイ」疑惑が浮上し、政府が真相解明に乗り出す騒ぎとなっている。町役場の近隣にある中国系オンラインカジノ企業がロマンス詐欺などの違法行為で摘発され、町長の関与疑惑が浮上。これをきっかけに町長の不自然な経歴に注目が集まり、上院議会の公聴会で中国の工作員ではないかとの懸念が高まった。

TikTok情報流出懸念 東南アジア 対応に甘さ インドネシア一部制限 タイとベトナムは拡大

中国のIT大手・字節跳動(バイトダンス)の子会社が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の情報流出懸念に対し厳格に対応する国がある一方、脇の甘い国が存在する。厳しく対応するのは主に西側諸国で東南アジア諸国は一部例外国を除き甘い。

ぼくの命は魚より安いのか 漁船で強制労働「海の奴隷」横行 タイの人権活動家「正しい消費行動」訴え

世界の海にはびこる〝ブラックな漁業〟が近年、現代の奴隷労働の温床として問題視されている。悪質な漁業会社は安価な労働力を得るため、主に東南アジア出身の貧しい移民労働者を不当な条件で雇い、十分な食事や休息を与えず長時間労働を強いている。パスポート没収や凶器・薬物を使用した暴行のほか、海に遺体が投棄された事件も報告されている。深刻な人権侵害を引き起こす「海の奴隷」を根絶するため、国際的に規制が強まる中、水産物消費大国の日本でも「正しい消費行動」と法整備が求められている。

南シナ海 新たな波及 防衛拠点巡り中比密約 補給禁止など比側に不利

領有権を巡りフィリピンと中国のつばぜり合いが続く南シナ海の問題で、ドゥテルテ前政権が中国と交わしたとされる「密約」が明らかとなった。明らかにフィリピンにとって不利な内容であり、親中派だったドゥテルテ前大統領への批判が強まっている。

日本〝横取りの悪夢〟再来か どうなるベトナム高速鉄道建設

ベトナム政府は4月1日、首都ハノイと商都ホーチミンを南北に結んだ同国初の高速鉄道敷設に関し、中国から技術を学びたいと表明した。中国の習近平国家主席は昨年12月、ハノイを訪問して首脳会談を行い、高速鉄道プロジェクトを含んだ経済協力協定で合意していた。15年以上前からの国家プロジェクトである南北高速鉄道構想でベトナムは当初、日本からの技術経済支援を仰ぐ方針だったが、インドネシアに次ぎまたしても、“中国トンビ”に油揚げをさらわれてしまう可能性が出てきた。

過激化する中国公船の威嚇 南シナ海で多発 国際社会 非難の声

フィリピンと中国が領有権を主張する南シナ海で、中国の威嚇行為がエスカレートし、フィリピン側に複数の負傷者が出る事態となっている。フィリピンの補給船が中国海警局の船から激しい放水を受け、乗員が負傷したり船体が激しく損傷するケースが相次いでいるほか、海洋資源調査の研究者チームが中国ヘリによる危険な妨害を受けた。エスカレートする中国の横暴な行動に国際社会から非難の声も高まっている。

【ワールドスコープ】比ミンダナオで大規模地滑り 責任の所在どこに 生き埋めで約100人死亡

ミンダナオ島ダバオ・デ・オロ州の鉱山地帯にある居住地が大規模な地滑りにのみ込まれ、鉱山会社の労働者など100人近くが死亡する惨事となった。鉱山会社は採掘地域の外で起きた災害だとして責任を否定する一方、環境保護団体は鉱山事業による環境破壊が地滑りの原因だとして責任の追及を政府に求めている。大雨によるミンダナオ島の被災者は150万人まで増加し、インフラ被害も20億ペソ(約54億円)に達した。

一帯一路の矛盾 大陸国が海洋国目指す陥穽 【連載】続中国南進 揺れるASEAN(5・エピローグ)

海外に行った時、時間をつくって二つの「ロジ」を見るようにしている。一つは路地裏。表街道ではなく、住宅街の路地裏をひたすら歩く。子供たちはどういった遊びをしているのか。人々は日常、どういった市場や寺に出掛けているのか。胃袋に収める食べ物や心に収める糧、心躍らせるものなど市井の人々の生活実態が如実に見えてくる。

経済回廊の整備 物流阻むミャンマー情勢 【連載】続中国南進 揺れるASEAN(4)

インドシナ半島では2種類のアジアハイウエーが存在する。  主に日本が支援する東西経済回廊や南部経済回廊と、中国がドナー国になっている南北回廊だ。

ベトナムの仏教 共産政権のドイモイで復活【連載】続中国南進 揺れるASEAN(3)

1990年代、ベトナムの山間部はタイムトリップの感覚があった。 山に向かっているのか、歴史をさかのぼっているのか分からない格別感だ。

タイの中国EV 日本車の牙城 脅かす勢い【連載】続・中国南進 揺れるASEAN(2)

タイの道路を走ると、時に日本と間違えるほどだ。左走行だし、とにかく日本車が多い。タクシーもほとんどがトヨタのカローラだ。ただタイのお寺のようにカラフルで緑や黄色など原色が目を引き、日本とは趣が少し違う。タイは長らく日本車が9割前後を占めていた日本車の牙城だった。

華為ASEAN戦略 タイを5Gデジタル・ハブに【連載】続中国南進 揺れるASEAN(1)

前回は安全保障問題を主要テーマに、東南アジアを自国の前庭にしようとする中国南進の実態をリポートした。続編は経済を軸に展望する。

地震体験の少ない国民 オーストリアから

今年に入り、オーストリアで驚くべき数の地震が記録されている。オーストリア地震サービスによると、今年1月に全国で54件の地震が起きた。同国では昨年83回の地震が報告されたが、これは1年間の発生件数だ。今年1月だけで、前年の半数を超える地震が記録されたわけだ。

14日インドネシア大統領選 本命の国防相 過半数が焦点 現職ジョコ氏から支持

人口約2億7000万人を擁するインドネシアの大統領選が14日に行われる。本命はプラボウォ国防相ながら、今のところ世論調査ではぎりぎり過半数を獲得できるかどうか。過半数に届かなければ、選挙戦は6月の決選投票にもつれ込むことになる。大統領選に2度、挑戦しながら敗退してきたプラボウォ国防相が勝利すれば「3度目の正直」となる。

比 新たな〝麻薬戦争〟正・副大統領陣営が対立 ICCへの軟化が引き金に

「ドゥテルテ政権の継承」をうたい文句に先の大統領選で大勝を果たしたマルコス大統領と、サラ・ドゥテルテ副大統領を含むドゥテルテ陣営の蜜月関係が早くも終焉(しゅうえん)を迎えようとしている。その背景には麻薬戦争を巡る国際刑事裁判所(ICC)の調査や改憲を巡るマルコス氏の動きに対するドゥテルテ陣営の強い不満がある。現大統領と前大統領が互いに「薬物中毒者」とののしり合う事態にまで発展しており、政治的混乱は避けられそうにない。

タイ高速鉄道 建設費自腹で関与を制限 中国南進 揺れるASEAN(7)

米中を両天秤(てんびん)に掛けたタイの安全保障政策ながら、中国への警戒心が皆無というわけではない。

両天秤のタイ バランサーとしての役割 中国南進 揺れるASEAN(6)

タイと米国は同盟関係にある。昨春も両国軍が主催する東南アジア最大級の多国間軍事演習「コブラゴールド」が、約7400人規模で実施された。コブラゴールドには日韓やインドネシア、マレーシア、シンガポールの7カ国が全面参加している。

ラオス・ボーテン 中国が警察権握る経済特区 中国南進 揺れるASEAN(5)

マカオがラスベガスのカジノを凌駕(りょうが)したことは、東南アジアのカジノビジネスに活力を与えた。シンガポールのカジノビジネス成功例はその典型だ。そのカジノビジネスに一番熱心なのはカンボジアであり、次にラオス、ミャンマーと続く。

ラオス 鉄道後発国が先端 インフラ整備 中国南進 揺れるASEAN(4)

コロナ禍でラオスの体力を奪ったのは通貨キープ安だった。コロナ禍以前は1㌦8900キープだったが、1月下旬時点で2万776キープと半値以下の通貨安になっている。

カンボジア 対中感情 庶民レベルで反発も 中国南進 揺れるASEAN(3)

プノンペンからの高速バスで隣り合わせた高校教師のコン・ポーン氏(48)と、シアヌークビルで一緒に昼食を取った。生ガキなど魚介市場のそばのレストランだ。

港湾都市シアヌークビル 観光開発に潜む基地化の野心 中国南進 揺れるASEAN(2)

カンボジア最大の港湾都市シアヌークビルは、首都プノンペンから南西に200㌔ほどの海岸にある。シアヌークビル経済特区(SEZ)はカンボジア最大規模のSEZで、中国系企業を中心として150社以上が入居している。カンボジアに進出しているイオンモールが物流センターを置くのもここだ。

埠頭363メートルは中国空母用?カンボジア海軍基地リアム フリゲート艦2隻が寄港 中国南進 揺れるASEAN(1)

カンボジアを地図で見ると、東西から巾着の口ひもをキュッと締めたような海岸線になっている。国土の形は、国力の歴史を物語る。6世紀にわたって栄華を極めたアンコール王朝が15世紀に幕を下ろして以後、坂を転げ落ちるように衰退していったカンボジアは、フランスの植民地時代を経て隣国ベトナムとタイから交易に有利で有事には攻撃拠点にもなる島を含む海岸線を蚕食された。

脱台湾へ工作緩めぬ中国 マーシャル諸島 インド太平洋戦略の柱

わが国のインド太平洋戦略の要でもある南太平洋地域の動向が一段と注目を集めている。中国が対抗戦略として同地域への進出を加速させているからだ。域内島嶼(とうしょ)国家14カ国中2019年にキリバスとソロモン諸島が台湾との断交を発表、現在中国と国交があるのは10カ国に増え、台湾と国交を持つのはマーシャル諸島、ツバル、パラオ、ナウルの4カ国となった。

「ジプニー」近代化推進 比市民の足 存続の危機 移行阻む車両高額化

庶民の足として安価な運賃でフィリピンの交通を担ってきた「ジプニー」に終焉(しゅうえん)の時が近付いている。マルコス大統領は運行団体の反対で繰り返し先延ばしされてきたジプニー近代化の期限を2023年12月31日に決定した。運行団体はストやデモに踏み切り反対を表明しているが、環境問題などの観点からも旧態依然としたジプニーの近代化は避けて通れない問題との認識が高まっており、転換の波は止められそうにない。

再開した植林の旅 溶岩地帯に蘇る緑の風景 インドネシア・バリ島のバトゥール山麓

荒れた大地に植林で緑を蘇らせるNPO法人アジア植林友好協会(宮崎林司理事長)の「インドネシアバリ島植林ボランティアツアー」が再開した。新型コロナウイルス感染により中止されていたが、昨年12月に4年ぶりに実施されたもので、インドネシアの熱帯雨林を復活する旅に同行した。

中国が反面教師のベトナム 大躍進のベトジェットエア

そのミャンマーは民主化に大きく動いたかに見えたが、2021年2月のクーデターで軍が全権を掌握。軍事政権下で経済は低迷、地方の少数民族武装組織も軍と対立を深め、治安も悪化した。

タイ法務省が新収監規則 タクシン氏への便宜?刑務所以外でも服役可能

タイで144の刑務所および矯正施設を管轄する法務省矯正局が今月上旬、「受刑者は刑務所以外の場所でも服役できる」とする新規則を全国の知事に通達したことが政治的波紋を広げている。この通達は普遍的な規則変更ではなく、「警察病院のVIPルームに入院中のタクシン元首相の特別待遇のために打ち出したもの」との批判が上がっているためだ。

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