日本の法は「不十分」国際的な規制と足並みを
欧州連合(EU)や米国は法規制によりIUU漁業の対策を強化している。2月中旬に行われた記者会見で、WWFジャパンの植松周平・海洋水産グループIUU漁業対策マネージャーは「水産物消費大国の日本にも大きな役割がある」と強調した。
日本の水産物輸入総額は1兆2000億円(2021年)と、世界第3位の規模だ。日本の輸入する天然水産物の約3割がIUU漁業由来の可能性があると推定される。日本でも22年12月に対策法である「水産流通適正化法」が施行された。同法は、魚の履歴書(漁獲証明書)の提出を求めるもので、その対象種は国内がアワビ、ナマコ、ウナギの稚魚、国外がサバ、サンマ、マイワシ、イカの7種に限られている。

植松さんは「(同法は)不十分な内容だ」と指摘する。国際的に輸入管理規制の足並みをそろえなければ、日本がIUU漁業規制の抜け穴となる可能性もあるという。それを防ぐためにも、「IUU漁業由来の可能性が特に高いとされる、マグロ類、カニ類、エビ類、ウナギ類を対象種に追加しなければならない」と語った。
IUU漁業対策に関する政策提言活動を行う団体で、WWFジャパンの加入する団体「IUUフォーラムジャパン」は先月1日、パティマさんと共に、IUU漁業の対策強化を求める要望書を1万2362筆の署名と併せて森健水産庁長官に提出。同法による輸入規制の強化や国際的な連携を求めた。森長官は「日本政府としてもIUU漁業対策強化をしっかりと検討していきたい」と述べた。
人権侵害といえば、アパレル業界でも中国・新疆ウイグル自治区での強制労働問題が明らかになり、消費者の意識が高まりつつある。植松さんによると、市場の改善は消費者の行動もカギを握る。人権意識の高い大企業は、持続可能な漁業による商品であることを証明する「MSC認証」、または養殖業の国際認証「ASC認証」と呼ばれるエコラベルの付いた商品を提供・販売している。こうした商品を消費者が選び、その商品が販売・使用されているか、店に確認することも効果があるという。
衣類でも、海産物でも、安い商品には〝裏〟がある。パティマさんは、「毎日食べる魚が、海の奴隷によって捕獲されたものではないと確信できますか」と問い掛け、「彼らが彼らの人生を取り戻せるように、正しい消費行動をしてほしい」と日本の消費者に訴えた。





