今年に入り、オーストリアで驚くべき数の地震が記録されている。オーストリア地震サービスによると、今年1月に全国で54件の地震が起きた。同国では昨年83回の地震が報告されたが、これは1年間の発生件数だ。今年1月だけで、前年の半数を超える地震が記録されたわけだ。
アルプスの小国オーストリアは日本のように地震大国ではなく、「地震自体」が珍しい。本格的な地震を体験した国民は少ないから、今年に入り、M4・4の地震が起きた時に震源地周辺の住民はビックリし、寝ている人はベッドから飛び出し、起きていた人は不安に襲われた。メディアもトップニュースとして報じたほどだ。
ウィーンから日本を訪問した娘が知人の家に厄介になった。その日の夜、地震が起きた。娘はビックリ仰天。すぐに傍らに寝ていた知人の娘さんを見たら、いびきをかいて寝ている。何も感じていないのだ。起こすのは悪いと思い、揺れが収まったので再びベッドに入って寝ようとしたが、なかなか眠れなかったという。
娘は、「地震大国に住む日本人にとって、M4程度の地震で驚いていたら、生きていけない。M5以上の地震でなければ、安眠を妨害されないように体が自己管理しているのではないか」という。
オーストリアの地震専門家は「地震が1月頻繁に発生したからといって、今後も多発するとは言えない。今年全体の予測は立てられない」としている。地震対策の一つとして、「地震時の行動ガイドを参照し、家やアパートの棚やその他の大きな物体を固定することが重要」とアドバイスしている。(O)