豪副首相兼国防相講演 原潜開発 来春にも道筋

インド太平洋地域 多国間枠組み構想も

笹川平和財団国際会議場で語るマールズ豪副首相兼国防相=9日、(池永達夫撮影)

来日中のリチャード・マールズ豪副首相兼国防相は8日、都内の笹川平和財団で講演し「豪州は来年の早い時期に、米英豪の安全保障の枠組みAUKUS(オーカス)の下で通常兵器搭載の原子力潜水艦開発の道筋を発表する」と述べた上で、「豪州は同盟国にとり有能な防衛パートナーになるだろう」と強調し、豪日の特別な戦略的パートナーシップを深化させたい意向を表明した。

またマールズ氏はウクライナを侵略したロシアを非難するとともに、「世界的な戦略的競争の中心にあるインド太平洋地域の安全保障を担保するための努力を怠ってはならない」と述べ、日本を自由主義秩序の主要な擁護者と位置づけた。

さらに中国の脅威に対しマールズ氏は「第2次世界大戦以後最大の軍備増強が、地域に対する安心材料も透明性もないまま行われている」と懸念を表明し「日豪が立ち向かわないといけない戦略的状況の重要な要素だ」との認識を示した。

その上でマールズ氏は豪州は日本を中心としたネットワークの一部であり、「AUKUS拡大版に相当するインド太平洋地域の多国間協力枠組みの構築もありうる」との革新的構想を明らかにした。

そしてマールズ氏は「自由で開かれたインド太平洋構想の提唱者である安倍晋三元首相の貢献を強調しすぎることはない」と感謝の意を表した。

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