トップ国際アフリカコンゴで「疾病X」未知のウイルスか 子供が犠牲に

コンゴで「疾病X」未知のウイルスか 子供が犠牲に

10 月 5 日 、 コ ン ゴ 東 部 の ゴ マ で 「 エ ム ポ ッ ク ス ( サ ル 痘 ) 」 の ワ ク チ ン 接 種 を 受 け る 医 療 従 事 者 ( E P A 時 事 )

アフリカ中部のコンゴ(旧ザイール)で原因不明の病気が広がっている。現地からの報道によると、症例は500件以上確認され、これまでに70人以上が死亡した。世界保健機関(WHO)によると、ほとんどの症例は14歳未満の子供で、死亡は5歳未満が大半を占めている。栄養失調、マラリアなどの疾病といった複合的原因によるものとする見方がある一方、海外メディアは「ディジーズX(疾病X)」として報道、未知のウイルスの可能性も指摘されている。(長野康彦)

症例が報告されたのはコンゴ西部のクワンゴ州で、首都キンシャサから陸路で48時間かかる遠隔地域。主な症状は発熱、頭痛、せき、鼻水、体の痛みなどで、限られた医療態勢と相まって、対応の遅れが出ており、全貌把握にはまだ時間がかかるようだ。

コンゴと隣国のルワンダでは、昨年から今年にかけて「エムポックス(サル痘)」が蔓延(まんえん)、その余波は現在も続いている。サル痘はウイルスに感染した動物から人への感染で引き起こされ、身体的接触を通じて人間から人間に感染することもある。発熱、体の痛み、リンパ節の腫れ、発疹などの症状を引き起こす。

アフリカ連合(AU)の保健監視機関は、新型コロナよりも深刻として、発生はまだ制御されていないと警告している。アフリカ疾病対策予防センター(アフリカCDC)によると、アフリカでは1100人以上がサル痘で死亡しており、今年1月以降約4万8000人の症例が記録されている。死者の大半は、流行の震源地であるコンゴで発生しており、ワクチン接種キャンペーンが開始されている。

これまでのところ、両国で5万人以上がサル痘の予防接種を受けた。また、WHOとその関連機関の下、9カ国に約90万回分のワクチンが割り当てられている。

途上国、特にアフリカのエイズ、マラリア、結核の根絶や教育・貧困・保健の水準の改善などに尽力しているのが米IT企業マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏だ。世界最大の慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」を2000年に設立、「グローバルヘルスプログラム」としてワクチンの普及に努めている。同氏はまた、世界人口は多過ぎるとして地球環境問題の改善にも熱心に取り組んでおり、10年、啓蒙動画「TEDトークス」で「今、世界には68億人がいる。そしてそれは90億に向かっている。私たちが本当に素晴らしい仕事をすれば、新しいワクチン、医療システム、『性と生殖に関する健康』サービスでその数を10%から15%削減できる」との考えを表明した。ワクチンを人口抑制のツールとして使用するとも受け取れるメッセージは物議を醸した。

米国のトランプ次期大統領から厚生長官に指名されたロバート・ケネディ・ジュニア氏は今年6月、世界的に人気のポッドキャスト「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」に出演し、「300人に1人の子供に重度の脳損傷を与えるとして米国や欧州では禁止された危険なワクチンをビル・ゲイツ氏はいまだに毎年1億6100万人のアフリカの子供たちに与えている」と指摘。デンマーク政府がアフリカ西部ギニアビサウでワクチン接種を受けた子供と受けていない子供のグループの30年間のデータを調査したところ、受けたグループの死亡率が10倍高かったと述べ、「調査から言えるのはワクチンがほぼ確実に子供たちを殺しているということだ」と語った。

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