トップ国際【連載】2026サッカーW杯強豪国直前リポート⑤ スペイン 無敗の勢いで再び頂点へ

【連載】2026サッカーW杯強豪国直前リポート⑤ スペイン 無敗の勢いで再び頂点へ

欧州選手権で優勝し、ヤマル選手(左)と喜び合うデ・ラ・フエンテ監督=2024年7月、ベルリン(dpa時事)
欧州選手権で優勝し、ヤマル選手(左)と喜び合うデ・ラ・フエンテ監督=2024年7月、ベルリン(dpa時事)

 サッカーのワールドカップ(W杯)2026において、フランス代表(レ・ブルー)と並び、優勝候補と目される現欧州王者であるスペインは、並み居る強豪チームの中でも最有力だ。昨年6月の欧州ネーションズリーグ決勝でポルトガルにPK戦で敗れたものの、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督率いるチームは現在、公式戦32試合無敗を誇る。

 デ・ラ・フエンテ監督は、スペインを最高レベルに復帰させた立役者であり、22年W杯後、ルイス・エンリケ氏の後任として代表チーム監督に就任した。13年からスペインのU―19、18年からU―21、そして21年にはオリンピック代表チームを率いてきた64歳の同監督は、スペイン代表チームに精通し、選手からの信頼も厚い。

 そして何よりもまず、ポゼッションサッカーとトランジションサッカーを融合させた明確で現代的なスタイルを確立した手腕が際立っている。その結果、デ・ラ・フエンテ監督が指揮を執った39試合で、敗北はわずか2回。一昨年7月の「欧州選手権」で優勝したスペイン代表は、2010年の南アフリカ大会以来のW杯優勝を目指す。

 何よりスペインはW杯の欧州予選を5勝1分の無敗で突破した。それも無失点で5試合をこなし、6試合の合計得点は21ゴールと、攻守で圧巻の実績を残した。ミケル・オヤルサバル、ミケル・メリーノ両選手がそれぞれチームトップの6得点で貢献。ペドリ、ロドリ両選手が中盤で存在感を発揮し、アイメリク・ラポルテ選手がディフェンスリーダーとして後方を支える盤石の布陣だ。

 2年前の欧州選手権優勝のキープレーヤーであるラミン・ヤマル選手は、18歳でキャリア初のW杯出場となる。彼は、昨年の欧州最優秀選手賞(バロンドール)で2位となり、国際試合で輝かしい実績を残してきたことから、北米では必然的に厳しい視線にさらされることが予想される。仏代表のキリアン・エムバペ選手と共に、ワールドカップのスターとなると目されている。

 比較的若いメンバーで構成されるスペインチームにとって、4月末の試合中に負傷したヤマル選手のコンディションが鍵となるが、特に信頼できるストライカーを欠くスペインにとって、ウイングのヤマル選手を欠けば本来の力を発揮できないという厳しい現実がある。ヤマル選手不在の中、欧州王者であるスペイン代表は4日にラ・コルーニャで行われたイラクとの親善試合で引き分けた。

 ただ、バルセロナの逸材が決勝トーナメントで最高のパフォーマンスを発揮できれば、スペイン代表は強力な中盤と堅固な守備陣を擁し、プレッシャーに耐え、自分たちのプレースタイルを貫くことができると専門家は指摘する。今回、スペイン代表は、1次リーグH組に入り第1戦でカーボベルデ、第2戦でサウジアラビア、第3戦でウルグアイと対戦する。

 H組では番狂わせがない限り、〝無敵艦隊〟スペインは1位通過すると目されており、追い風が吹いている。

(パリ安倍雅信)

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