トップ国際【連載】2026サッカーW杯強豪国直前リポート③ フランス 3度目の頂点目指す強豪

【連載】2026サッカーW杯強豪国直前リポート③ フランス 3度目の頂点目指す強豪

欧州選手権のベルギー戦で、勝利を喜ぶエムバペ(左)とデシャン監督=2024年7月、ドイツ・デュッセルドルフ(AFP時事)
欧州選手権のベルギー戦で、勝利を喜ぶエムバペ(左)とデシャン監督=2024年7月、ドイツ・デュッセルドルフ(AFP時事)

 過去2度のサッカー・ワールドカップ(W杯)優勝経験のあるフランス代表チームを2012年から率いるディディエ・デシャン監督は、1998年の仏大会優勝時のキャプテンだった。2018年のロシア大会での優勝時は監督だった同氏が、キャプテン、監督として2度の優勝を経験し、今回は6月16日の対セネガル戦、22日の対イラク戦、26日の対ノルウェー戦に臨む。

 デシャン氏は「当然、期待とプレッシャーはあるし、もちろん、私たちにも責任がある。なぜなら、私たちがここにいるのは対戦相手よりも多くの試合に勝ってきた実績があるからだ。優勝候補の一角であることは間違いないが、他にも強豪チームが6、7チームはいる。ワールドカップなので、強豪チームが集まっている」と緊張感を持って試合に臨む姿勢を見せている。

 キリアン・エムバペ、ウスマン・デンベレ、ミカエル・オリズ、ブラッドリー・バルコラの各選手など、世界最強のスターを擁するフランス代表は、優勝候補の筆頭のチームとして今回のW杯で野心をのぞかせる。デシャン監督は変化の兆しを見せており、3月の親善試合では、フランスはブラジルとコロンビアに対して計5ゴールを挙げ、これまで以上にオープンなプレースタイルを示した。

 相手チームに対してチームをより予測不可能にし、豊富な攻撃力を最大限に活用したいと考えているようだと仏メディアは伝えている。1998年のW杯優勝の時は、仏リーグで活躍する外国人選手不在の中、批判を押し切って国が育てた若い選手でチームを構成し、ジダン選手が得点を叩(たた)き出し優勝した。

 デシャン監督の任務は、攻撃陣の強さを最大限に引き出すための完璧な公式を見つけ、最下位ラインの確実性を損なわないようにすることと指摘される。2016年W杯予選では、フランスよりも失点が少ないヨーロッパの代表チームはわずか4チームだった。これは、レ・ブルー(仏チーム)の運営において、守備陣が依然として最も重要な基盤であることを示している。

 デシャン監督は、現代国際サッカー史上最も成功した監督の一人と言われ、フランス代表を12年以上率いた中で、レ・ブルーをEURO2016決勝、18年W杯優勝、22年W杯決勝に導いた。今回のW杯は、デシャン監督が10年以上の就任期間を経て、フランス代表監督としての最後の大会とも言われている。

 イタリア移民のデシャン氏は、フランス人が最も誇りに思うスポーツリーダーの1人になるとみられている。熟練した27歳のエムバペ選手がいる一方、17歳で仏代表デビュー戦でゴールを決めたW・ザイール・エメリ選手は、この国のサッカーの未来を担うと目されている。今回の大会は同選手が、レ・ブルーのチームにおける新しいスターとしての地位を確立する舞台となる可能性がある。

 ピークに達するスター選手に加え、将来を担う10代の選手も擁する仏チームは、その完成度の高さから優勝への期待が膨らんでいる。

(パリ安倍雅信)

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