
【ワシントン川瀬裕也】訪米中の高市早苗首相は19日(日本時間20日)、トランプ米大統領とホワイトハウスで会談し、中東情勢や経済安全保障を巡る課題などについて意見を交わした。両首脳はエネルギー・資源開発のさらなる連携強化で一致した。会談冒頭、トランプ氏は高市氏に対し「日本の歴史上最も素晴らしい選挙で勝利した、パワフルで偉大な女性だ」と歓迎。高市氏は「世界中に平和と繁栄をもたらすことができるのはドナルド(・トランプ氏)だけ」と強調し、「諸外国に働き掛けてしっかりと(米国を)応援したい」と表明した。
会談の中でトランプ氏は、ホルムズ海峡の安全確保について、「これまで日本から多大な支援を受けており、日本は積極的に取り組んでいると確信している」と評価した。
その上で、「(日本は)北大西洋条約機構(NATO)とは違う」と語り、同海峡での協力に消極的な欧州の同盟国に対し、日本と比較する形で不満をあらわにした。
この件について高市氏は会談後、記者団に対し「ホルムズ海峡の安全確保は非常に重要だ」と説明。トランプ氏が各国に求めている艦船の派遣については、「日本の法律でできること、できないことがあると、詳細に説明した」と語った。また、日本やアジアにおける原油調達の安定化について、「米国産エネルギーの生産拡大に日米で共に取り組んでいくことを確認した」と語り、日本で米国産原油を備蓄する共同事業を実現する方針を伝えたことを明かした。
日中関係を巡ってトランプ氏は、「少しぎくしゃくしているようだ」と述べるにとどめ、今後予定されている訪中の際、「(習近平国家主席に)日本の良いところをしっかりと伝えておく」と約束した。これに対し高市氏は「日本は常に中国との対話をオープンにしている」と応じた。
約1時間半に及んだ会談では、レアアース(希土類)などの海洋鉱物資源の開発協力などに関する三つの文書が取りまとめられたほか、北朝鮮による拉致問題も議題に上がり、トランプ氏が即時解決への全面的な支持を表明したという。
会談後、日米両政府は共同声明を発表し、米国への投融資の第2弾として、次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」や天然ガス発電施設などを建設することで合意した。
高市氏の訪米は、昨年10月の首相就任後初となる。会談では「ランチの時間も惜しんで会談を続けたい」とのトランプ氏の意向により、昼食会が急遽(きゅうきょ)中止となり、会議が延長される異例の事態となった。同日夜には、第2次トランプ政権でサウジアラビアに次ぎ2例目となる首脳会談後の夕食会も催されるなど、厚遇ぶりがうかがえた。






