
西半球重視、ベネズエラ攻撃
トランプ大統領は第1次トランプ政権時代(第45代大統領)にグリーンランド購入案を持ち出して反発された。購入案は実現せず終わったが第2次トランプ政権(第47代大統領)になるとグリーンランド併合案に変えて反発が再燃する。併合案になるとデンマークだけではなく欧州各国がトランプ大統領に対して反発した。
さらにトランプ大統領は西半球重視政策を発表し、実際にベネズエラに麻薬組織への攻撃と称してベネズエラ大統領を拘束した。その後ベネズエラは反米国から親米国に変わり政治・経済がアメリカの管理下で発展に向けて進んでいる。トランプ大統領の政策と決断は西半球限定ではなく世界規模に拡大していることから各国で困惑の動きが出ている。
帝国主義と批判も
トランプ大統領はアメリカ第一主義を公言し強いアメリカを求めている。この政策からトランプ大統領は西半球の安定化を強行していると推測する。この一手として反米国ベネズエラに対して麻薬組織撲滅を大義名分に軍事介入しベネズエラ大統領を拘束したと推測する。
何故なら国家への攻撃であれば戦争だから議会での許可が必要になる。だが麻薬組織撲滅であれば戦争ではない。しかも今の麻薬組織は軍隊並みの武装を持つから既存の警察では対応不可能。そこで軍隊を投入して麻薬組織を撲滅するから軍隊が警察を支援することで解決した。
トランプ大統領の強引な決断だが結果的にベネズエラ独裁を終わらせベネズエラ国民に歓迎された。今後はアメリカの管理下でベネズエラの政治・経済が動くから、利益がベネズエラ国民に還元されたら成功となり、ベネズエラはアメリカの保護国として繁栄する。
【解説】トランプ氏は世界を帝国の時代へ戻す危険がある……BBC国際編集長
https://www.bbc.com/japanese/articles/cgrd2z8748ko
だがトランプ大統領に危機感を持つ者は帝国主義だと批判した。アメリカがベネズエラを保護国にすることは資源収奪・製品市場に該当し19世紀に欧米が実行した帝国主義の再現になる。だがベネズエラには中国が一帯一路構想として介入していたからトランプ大統領だけを批判することは間違いになる。
・併合(annexation):国内法を適用する。
・植民地(Colony)
1:移民地
原則的に移民自治(現地政権・原住民無視)。
2:資源収奪・製品市場
限定主権の原住民政権存続(保護国化)。
3:戦略的基地の獲得
総督府による直接統治。
トランプ大統領がベネズエラを保護国に置くと中国が一帯一路構想としてベネズエラに行った投資が全て無意味になった。経済圏は軍事基地を置く土台になるから、中国はベネズエラを失ったことで南米に軍事基地を置くことすら不可能になった。このためトランプ大統領は南米における中国の覇権を排除しただけではなく、南米に置かれる予定だった一帯一路構想を破壊した。
併合は覇権領域と市場の同時拡大
トランプ大統領がベネズエラに対して行ったことは資源収奪・製品市場の植民地。これは19世紀の手法だから帝国主義と呼ばれている。これは今の経済で製品市場の獲得と維持が行われるからトランプ大統領だけを批判できない現実がある。つまり全ての国が国益と貿易の利益の目的で相手国を保護国化している。
しかしトランプ大統領がグリーンランド併合を求めることは植民地化ではない。グリーンランド住民をアメリカ人にすると同時にアメリカの国内法を適用する。これの聞こえは良いが国家経営としては経済的な負担になる。この典型例が戦前の日本が行った台湾併合・朝鮮併合だ。当時の日本は台湾・朝鮮を植民地にしたと批判されるが、実際は日本人にすると同時に日本の法律を適用する。さらに日本の税金を使いインフラ整備・教育を行った。
これで日本は財政負担が多くなり苦しむことになった。トランプ大統領はグリーンランド併合で利益がでると思っているのか疑問。19世紀の帝国主義を見るとイギリスは資源収奪・製品市場を行い保護国化していた時期は繁栄した。だがインド大反乱(セポイの反乱1857-1858)から戦略的基地の獲得へ変更し総督府による直接統治を行った。
すると繁栄していたイギリスは直接統治にしたことでイギリスの金が広大な植民地にインフラ整備で消えていく。間接統治は「楽して金儲け」だが直接統治は「苦しい金儲け」に変わることが歴史の経験則。
グリーンランドは地政学から見ても重要だがアメリカ軍基地を置くだけで対応できる。だから経済的な負担を軽くできるが、トランプ大統領はグリーンランド併合で政治・経済・軍事の負担を丸ごと受ける大英帝国の崩壊システムを自ら選んだことに気付いていない。
【アメリカが20世紀初頭から採用した西進政策】
1:覇権領域の拡大
2:市場(利権領域)の拡大
3:覇権領域と市場の同時拡大
トランプ大統領は西半球重視と言いながらグリーンランド領有を求め世界各国に軍隊を派遣している。これは典型的な覇権領域と市場の同時拡大。アメリカ第一主義であり政治・経済・軍事の覇権を世界規模にする。
この実現のためにアメリカ海軍の強化と戦略基地の確保を求めており、実際にトランプ大統領は2025年12月に「黄金艦隊」計画を発表した。トランプ大統領は西半球重視なのはアメリカの防衛第一を意味している。西半球の防御を固めてアメリカ国民を守り、世界各地にアメリカ軍を派遣して経済を守ることを意味している。
これはトランプ大統領独自の方針ではなくアメリカの伝統的な政策が使われている。トランプ大統領は覇権領域と市場の同時拡大するためにグリーンランド併合を求め、世界各地にアメリカ軍を展開するために黄金艦隊を創設する。この黄金艦隊を展開する基地として友好国を保護国に変えて戦略的基地にすることは明白。
日本もアメリカの保護国に
トランプ大統領は友好国に対してアメリカ軍への防衛費を提供するように要求すると同時に、同盟国はアメリカ製兵器を購入して軍事力を強化しろと要求しているではないか。日本もアメリカの保護国にされるが良いじゃないか。日本はトランプ大統領の政策を使い国防強化すれば良い。トランプ大統領も日本の軍事力強化を求めている。これで台湾防衛まで含まれるから台湾・日本には好都合。
仮にトランプ大統領が在日米軍を強化して総督府による直接統治にすると、アメリカ軍が日本の国防を直接行うことになる。これは総兵力が少ない自衛隊には好都合であり日本国民にも好都合。
皮肉なことに自衛隊は警察予備隊として創設された時からアメリカの州兵との認識。実際に自衛隊の基地配置と運用も州兵の領域であり、外国に駐留する形式で運用されている。この状態だから今更トランプ大統領の政策に巻き込まれても影響を受けないのが日本の現状。
悲しいことに自衛隊の立場がトランプ大統領の政策を悪用し、逆に日本の防衛力を向上させる結果に進んでいる。左翼がトランプ大統領を嫌うのは何故だ? トランプ大統領の政策が台湾・日本の軍事力強化になりアメリカ軍の強化に至るからだ。
(この記事はオンライン版の寄稿であり、必ずしも本紙の論調と同じとは限りません)






