【ワシントン山崎洋介】自民党新総裁に高市早苗前経済安全保障担当相が選出されたことについて、米主要メディアは、今月末に訪日するトランプ大統領との安全保障面など政策面での共通性を指摘する一方、関税交渉を巡る摩擦の可能性にも触れている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、高市氏について「熱烈な日本的愛国主義者」と「師事した故安倍晋三氏のように日米同盟を強く支持しており、外交や社会問題に関する保守的な見解はトランプ氏と一定のイデオロギー的親和性を持っている」と報じた。その一方で、総裁選中に関税を巡る日米合意再交渉に「貿易や投資を巡るさらなる争いの可能性を示している」との分析を紹介した。
ブルームバーグ通信は「日本の防衛費と防衛力の増強、中国の影響力拡大の抑止、米国の利益に沿うサプライチェーン(供給網)構築といった課題に関しては、トランプ氏とよく合致する可能性が高い」と分析。一方で「米保守層の間では、対抗馬だった小泉進次郎氏に直接接点のある人や、20年前に当時の小泉純一郎首相がサングラス姿で当時のブッシュ大統領に歌をささげたことを覚えている人たちの間では、知名度はやや劣る」とした。
ワシントン・ポスト紙は、高市氏の靖国神社参拝について、「ナショナリズム的な立場は中国との関係を複雑にし、韓国との関係改善に向けた最近の取り組みを損なう可能性がある」と伝えた。





