
【ワシントン山崎洋介】トランプ米大統領は29日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談し、イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザについて、20項目の和平計画を示し、全面的支持を取り付けた。今後、ハマスが受け入れるか焦点となる。
計画では、即時停戦後、イスラエルが段階的に軍を撤収。ハマスはイスラエルが公式に合意を受け入れ後、72時間以内に人質を解放する。
戦後のガザ地区統治については、パレスチナ人と国際的専門家による暫定委員会を設立、行政や復興を担う。監督機関として「平和委員会」を設置、トランプ氏が議長を務め、委員にブレア英元首相が含まれる。
その際ハマスはガザの統治に一切関与せず、トンネルや兵器生産施設を含め、ハマスの軍事関連施設は破壊される。人質がすべて返還されれば、平和的共存と武器廃棄の約束をもってハマスメンバーには恩赦が与えられる。
同計画に、エジプトやサウジアラビアなど多くのアラブ諸国がすでに支持を表明。イギリスやフランスなど欧州諸国も続いている。
しかし、ハマスが同計画を受け入れるかは不透明だ。ハマス幹部のタヘル・アルヌヌ氏はテレビインタビューで、「この案について、誰もわれわれに連絡してこず、交渉過程に含まれていなかった」と述べた。
トランプ氏は「ハマスもこれを進めたいと聞いている。それは良いことだ」と述べる一方、もし受け入れなければ、イスラエルは「われわれの全面的な支持を得ることになるだろう」と述べ、ガザでの軍事作戦継続を支持した。
ネタニヤフ氏は計画について、「われわれの戦争目的を実現させるものだ」と支持を表明。その上で、もしハマスが受け入れなければ「イスラエルは一国でも任務を完遂するだろう」とも強調した。
トランプ氏とネタニヤフ氏は会談中、カタールのムハンマド首相との3者による電話会談も行った。その中で、ネタニヤフ氏はイスラエルがハマス幹部を標的にカタールを空爆したことについて遺憾の意を表明、再び攻撃しないことを約束した。





