日本気球連盟会長・太田耕治さん
熱気球に触れる機会が増えている。日本気球連盟のHPを見ると、今年はすでに1月から宮崎県を皮切りに全国各地で体験搭乗やバルーンフェスティバルが行われている。競技性の高い「熱気球ホンダグランプリ」も2023年は全国4カ所で行われた。学生時代にアフリカ・ケニアの上空を飛ぶなど海外での熱気球体験の多い同連盟会長の太田耕治さんに外国の状況を聞いた。
世界選手権大会がほぼ2年に1回、国際航空連盟(FAI)加盟各国の代表選手によって競われている。第1回は1973年で、アメリカは愛好者が最も多く24回のうち6回開かれた。
「ミシガン湖の周辺で多く飛びました。バトルクリークでは世界選手権が何度か開かれています。ニューメキシコ州のアルバカーキが有名で、約千機が集まった一般の大会がありました。オーストラリアもいいです」
ヨーロッパも愛好者が多い。
「20年1月には、サウジアラビアのタントラフェスティバルで世界遺産のマダイン・サーレハ(ヘグラ)古代遺跡の上空を飛びました。スロベニアで22年に世界選手権が開かれましたが、比較的安全で、いいところです。山がありますが、まっ平な里に出るときれいです。飛んで面白いのはスイスの山越えです」
スウェーデン、フランス、オーストリア、ルクセンブルクでも世界選手権が開かれた。ハンガリー大会には34カ国から最多の129機も参加している。
平穏だった時代のロシアでも5回ほど飛んだという。
「リヒテンシュタインは世界で6番目に小さい国ですが、ライン川を越えるので面白いです。イギリスも第3回世界選手権が開かれて、ヨークシャー州のハワード城の近くを飛びました。その時は結構風が強くて、草地の上で大変なランディングをしたことを思い出します」
この世界選手権、実は日本の佐賀県で3回も開かれている。ほかに栃木県でも1回。
大会が多く開催される中で、日本人選手の力量は向上。第21回のブラジル・サンパウロ州の大会では22カ国58機が参加し、藤田雄大(ゆうだい)選手が優勝した。世界選手権では20位以内に入る選手も多くなっている。
(伊藤志郎)