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ロシア軍によるウクライナのオデッサ港の海上封鎖で、世界的な食料危機が懸念されている。オデッサと聞いて映画ファンがすぐに思い浮かべるのは、ソ連のエイゼンシュテイン監督の「戦艦ポチョムキン」の「オデッサ階段」だろう。
1905年に起きた戦艦ポチョムキンでの反乱を描いたこの映画で、皇帝軍による住民の虐殺を描いた。「モンタージュ」の技法を用いた映画史上に残る名場面とされている。
しかし、実際はそんな史実はなかった。革命宣伝のプロパガンダ映画である以上、作品としては時代とともに色あせていく。
電話会談でマクロン仏大統領とショルツ独首相からオデッサ港の封鎖解除を求められたプーチン露大統領は、「穀物輸出が妨げられないような選択肢を見つけるために貢献する用意がある」とする一方、そのためにはロシアへの制裁解除が必要だと述べた。
封鎖解除にウクライナが期待するのは、デンマークから供与された対艦ミサイル「ハープーン」だ。黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈され、これ以上の損害を出したくないロシアには、大きな脅威になりそうだ。こんな事情もプーチン氏の発言の背後にあるだろう。
プロパガンダ映画が魅力を失っていくのと同じように、ウクライナ侵攻開始から100日近くが経過する間、プーチン氏の言動は信用を日ごとに失っていった。今では世界中の人々がその発言には、必ず何か別の意図があることを知るようになった。





