【上昇気流】(2022年4月15日)

ウクライナ南東部マリウポリを歩く住民=12日(EPA時事)

ウクライナに侵攻したロシア軍の民間人虐殺や残虐な攻撃が次々と明らかになる中、「戦争犯罪」を追及する動きが強まっている。国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官は首都キーウ近郊ブチャを訪問。「犯罪が行われていると信じるに足る合理的な根拠がある」と語った。

ICCが管轄する対象犯罪は、非軍事目標の破壊や毒ガス使用などの「戦争犯罪」、組織的殺人や拷問など「人道に対する罪」、「ジェノサイド(集団殺害)」、侵略行為の計画や開始など「侵略犯罪」の4罪種だ。民間人殺害や病院などへの攻撃は、「恐怖」で屈服させる意図の下、組織的に行われたと考えるしかない。

当然、最高司令官のプーチン大統領も訴追されるべきで、米国などその方向で情報収集を始めている。しかし、プーチン氏を今すぐ逮捕・訴追することができるわけではない。ICCに警察権はない。

2013年にオバマ米大統領(当時)が「米国は世界の警察官ではない」と宣言して以来、世界には警察官が不在だ。宣言によってシリア内戦不介入を表明した米国と対照的に、ロシアはアサド政権への軍事的テコ入れを強化した。

町の保安官にやる気がなく頼りないために、無法者がわが物顔に暴れ回る。ウクライナの現状は西部劇の一場面を観(み)ているようだ。

国連安保理の機能不全が問題にされているが、今に始まったことではない。まずは、警察官不在の現状をどうするかを考えなければならない。

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