【上昇気流】(2022年4月12日)

破壊されたロシア軍の車両の近くを歩くウクライナ兵ら=キエフ近郊のブチャ 2022年4月4日(UPI)

ウクライナの首都キーウ制圧に失敗したロシア軍が、東部制圧への動きを加速している。米メディアによると、13㌔に及ぶロシア軍の車列が東部に向かっており、プーチン大統領は侵攻作戦を統括する司令官にアレクサンドル・ドボルニコフ上級大将を任命した。

ドボルニコフ氏はシリア内戦への介入で指揮官を務め、在任中に民間人への無差別爆撃や化学兵器による攻撃が行われた。民間人の犠牲がさらに増えることが心配される。子供を含む多数の死者を出したクラマトルスク駅へのミサイル攻撃も、ドボルニコフ氏の指揮によるものとの見方もある。

ロシア軍が東部制圧を急ぐのは、5月9日の第2次大戦での対独戦勝記念日までに戦果を挙げ、国民へのアピールを狙っているとの観測が専らだ。焦りもあるのだろう。そのために手段を選ばない残虐な司令官を任命した。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は「私たちは全てに対応できるよう準備している」と“決戦”への備えを強調した。

ウクライナ侵攻はロシアが行ってきた戦争の犯罪性を改めて明るみにした。その真打ちともいうべきドボルニコフ氏の登場だ。

これまで小型兵器に限定してきた西側の軍事支援も、英国の装甲車や対艦ミサイルシステムなど、ロシア軍の戦争犯罪が明らかになるに従い、レベルを上げている。ウクライナ人の不屈の祖国愛と自由主義諸国の支援は、ロシアがこれまで戦ったことのない強敵となりつつある。

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