言論と信教の自由に軍配 フィンランドで無罪判決

【ヘルシンキ吉住哲男】ヘルシンキ地方裁判所は30日、元キリスト教民主党党首で国会議員のパイビ・ラサネン氏の公での発言が、同性愛者に対する侮辱、中傷には当たらないとして無罪判決を下した。これは、2004~19年にわたってラサネン氏が同性愛関連に対する自らの見解をラジオやパンフレットなどで公にしたことが、性的マイノリティーに対する侮辱ならびに中傷に当たるとして、3件の表現行為で起訴されていたもの。

ラサネン氏は、国教である福音ルター派教会が19年に性的マイノリティーを支援する「プライドパレード」に公式に参加したことに対し、「教会の教えの基礎である聖書とどのように調和することができるのか」とツイッターに投稿。また、教会のパンフレットに一部の心理学者の見解である「同性愛は心理的発達障害」を引用、さらにラジオで「神は元来同性愛者としてではなく、異性愛者として人間を創造した」と述べていた。

裁判所は、ラサネン氏の公の見解は「蔑称」的であるが、同性愛者への侮辱ならびに中傷というよりは、ラサネン氏自身の宗教的信念と一致する家族、結婚の概念を擁護する試みだと判断を下した。

検察側は「裁判所が言論と信教の自由に対し、平等と無差別の原則より重視された評決だ」として控訴の可能性を示唆した。同裁判は、聖書の引用が犯罪とみなされるか否かの判断が国内外の注目を集めていた。

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