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原告が「監禁」を認める


“拉致監禁”の連鎖(203)パート
「青春を返せ裁判」法廷証言から(3)
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「請求の原因」と記された提訴書面

 いわゆる札幌「青春を返せ裁判」は、統一教会を離教した元メンバーらが、教会に「洗脳教育」され、被害を受けたと主張し、この間の献金の返金、慰謝料などを請求し、民事訴訟を起こした裁判である。提訴は3回にわたって行われ、原告は最終的に21人となり、その全員が成人の女性だった。

 「請求の原因」と記した提訴書面の一例は次の通りである。

 原告・吉岡富子(仮名)は、高校を卒業後、○○看護学院に進み、昭和六二年三月に卒業して同年四月より△△病院に看護婦として稼働していたが、昭和六三年九月五日以降、被告・世界基督教統一神霊協会による洗脳教育を受けて、その組織に取り込まれていたところを平成元年二月八日に救出されたものである。

 吉岡富子さんは平成2(1990)年に第2次提訴した4人のうちの1人で、当時20代前半。裁判では平成9年から原告、被告に対する主尋問、反対尋問が行われたが、原告の吉岡さんに対する被告側代理人の反対尋問(平成12=2000=年6月20日)は以下の通りである。

代理人 あなたは、脱会される直前に監禁されましたね。

吉岡 監禁でもないです。

代理人 あなたにとっては使いたくない言葉でしょうけれども、事実としては監禁されたでしょう。

吉岡 一応別の場所に移されてっていう形では。

代理人 部屋から出られないようにされたでしょう。

吉岡 はい。

代理人 それは鉄筋のアパートですか。

吉岡 それはクリスチャンセンターです。

代理人 入り口は、カギは掛けられて。

吉岡 確かカギは掛かっていたかもしれません。

代理人 他の人がカギを持って、あなたは自由に出入りはできないと、そうですね。

吉岡 そうだったかもしれません。

代理人 で、カウンセラーっていう人が来られたんでしょう。

吉岡 はい。

代理人 パスカル(編注・脱会屋のフランス人)っていう人ですか。

吉岡 そうです。

代理人 その人に聖書を示されて、原理講論(編注・統一教会の教理本)はこういうふうに間違っていますよということを一々対比しながら教えられたわけね。

吉岡 はい。

代理人 それ、自分が今信じていることの侵害だと思わなかった。

吉岡 初めは思いました。

代理人 思った。

吉岡 ええ、(教理の本などを)開いている振りをして、聞いていませんでした。

 ……と続いていく。

 吉岡さんの法廷証言は、棄教してから8年ほどを経た時点で行われたものだが、尋問に対する答えはきわめて具体的だ。

 「請求の原因」の中で、「救出」とあるのは、拉致監禁虚構派が主張する「保護説得」によって統一教会の影響から逃れ、棄教できたという内容と見ていいだろう。「救出」されたとして、統一教会を訴えた側の人物が法廷証言の中で、監禁の事実を認めているのは、驚きである。

(「宗教の自由」取材班)