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どんな資質を育てるのか


 教育改革の議論が盛んになってきている。例えば、小学校5、6年での教科担任制の導入。先月、柴山昌彦文部科学相が中央教育審議会に諮問した「新しい時代の初等中等教育の在り方」の中に盛り込まれている。

 背景には、教師の働き方改革や、小学校で英語やプログラミングが必修化されることで専門性が求められるといったこともある。先駆けて教科担任制を導入している学校では、学級担任が担当する授業数が減り、一回の授業準備の時間を増やすことができるようになったという。

 政府の教育再生実行会議でも提言された。画一的な学習では生徒の学習意欲が低下するとして、将来のキャリア設計や国際的リーダーの育成といった学校ごとの特徴を出すべきだという。文系、理系に偏ってしまいやすい現状もテーマになる。

 一方で、学校改革で成果を挙げている校長がメディアに取り上げられることが増えている。そうした校長たちがやってきたのは、教師の意識改革、校則や宿題など従来の学校の取り組みの見直しだ。

 その一人、大阪の公立高校に就任してわずか4年で海外の大学に合格者を出している日野田直彦校長の言葉が面白い。

 「私の使命は『世界を救う勇者を育成すること』です」「子供たちには、自分の戦いのフィールドで得意なことをやってくれたらいいと思うんです。(中略)大きな社会を変えることは、誰もが難しく感じます。でも、自分ができる目の前の、いま最大限のこと、誰かのためにできることに取り組んでいれば、それが世界平和につながるのではないでしょうか」(教育新聞4月15日付)。

 結局、教育によってどんな資質の人間を育てるのか、を明確にするということではないか。筆者が尊敬する元校長からは「教育は利他の精神を育てることが大切」と言われたことがある。教育改革の議論ではこうした教育哲学的な部分も取り上げてほしい。

(誠)