世界日報 Web版

明治維新に学ぶ


 11月には「祝日」が2回ある。「文化の日」(3日)と「勤労感謝の日」(23日)だ。「国民の祝日に関する法律」で定められているから、両方とも祝日と呼ぶが、由来を見ると、祝日と祭日の違いがある。

 前者は、日本国憲法が公布された日を記念し、戦後に祝日となった。また、この日は明治天皇の誕生日であることから、かつては「明治節」だった。

 後者は、古くから宮中で続く「新嘗祭」(収穫祭)だから祭日だ。戦後の連合国軍総司令部(GHQ)の占領政策の一環で、皇室行事から切り離された形にされて、勤労感謝の日になった。

 休日は英語で「holiday」だが、その由来は「holy day」(聖なる日)。だから、宗教に由来を持つ祝日が多いのだが、その本来の意義が忘れられつつあるのは、政教分離の原則から、宗教に触れることを禁忌とする戦後教育の弊害であろう。

 ところで、今年の11月には、文化の日と勤労感謝の日の間にもう一つ歴史的な日がある。「11月9日」(旧暦10月4日)、つまり大政奉還の日(1867年=慶応3年)である。

 明治維新の開始は諸説あるが、今年は明治維新から150年の節目の年と言うことができるのである。このため、東京で「明治150年記念シンポジウム」(10月29日)が開かれるなど、さまざまなイベントが企画されて明治維新の意義が見直されている。

 だが、明治維新ブームの本番は来年2018年だ。王政復古の大号令(1868年1月3日)が行われ、同年10月23日には明治に元号が変わったことから、「明治150年」を謳(うた)ったイベントが目白押しだ。

 明治維新ゆかりの自治体などが観光客誘致の一大チャンスと手ぐすね引いているが、お金につなげるだけでは寂しい。西欧列強による植民地化を許さずに国の独立を守った明治の指導者たちの志と生きざまを学ぶ機会にしたいものだ。(森)