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夏バテ予防にムダなく「お酢すめレシピ」


料理研究家・田内さんの食育講座

 気温が高く、残暑も厳しいと言われる今年の夏。食欲増進・疲労回復効果がある酢は夏バテ予防に最適。また、安いからと、少し買い過ぎた食材をムダなく使い切るためにも、酢は効果的。東京都多摩消費生活センターでこのほど、料理研究家・ライターの田内しょうこさんを講師に迎え「おいしくムダなく食材使い切り! 夏のお酢すめレシピ大公開♪」と題した食育講座が開かれた。(太田和宏)

下味付けると2~3日長く日持ち、食欲増進・骨粗鬆症防ぐ効果も

夏バテ予防にムダなく「お酢すめレシピ」

疲労回復、食欲増進に酢は欠かせないと語る田内しょうこ氏

 講師の田内さん、結婚当初は、あまり酢が好きではなかったという。“好き派”に転向した理由は三つ。ご主人が毎日おちょこ1杯の酢を飲んでいたそうで、その影響。また、ある日、ご主人の実家のある茨城に帰省した時、料理の味付けが濃い割に、後味がすっきりしていた。義母に「何か特別なモノを入れてますか」と尋ねたところ、「酢を入れている」という答えがあった。また、妊娠中、夏バテし、食欲も無かった時、たまたま、ところてんを食べて、酢醤油(すじょうゆ)の味付けが気に入って元気が出たという。

 最近話題のフードロスについて、「モッタイナイ運動」をしている人に聞くと、イメージ的には、コンビニエンスストアとか、ホテルやレストランなど外食産業の食べ残しが多い感じがある。だが、総量からすると、家庭レベルのフードロスが6割と圧倒的に多いという。

 田内さんは「メーカーは安全・安心のため早めの設定をしている。冷蔵庫の性能も高くなっている。肉や魚など空気に触れて傷んでくるが、空気に触れない脱酸素室、減圧室、低温解凍で保存するチルド室など機能も高くなっている。抗菌・防腐作用のある酢や塩で下味を付けて保存すると、2~3日は長く日持ちする。あまりにも、賞味期限、消費期限の日付にとらわれ過ぎだ」「自分の舌や匂いも活用して食べられるかどうか、判断する力も必要だ」と語る。酢はサルモネラ菌、ブドウ球菌などを防ぐことも指摘した。

 酢を使った保存食として、カリカリに唐揚げしたアジ、サバ、イワシなどを甘酢醤油に漬ける南蛮漬けなども紹介。

 酢を摂(と)ることによって、胃酸が分泌され、食欲を旺盛にし、骨粗鬆(そしょう)症の予防のカルシウムも摂れる。ビタミンDを多く含む干しシイタケと一緒に摂ると、相乗効果が期待できる。自分自身が日光に当たり、体内でビタミンDを作り、軽い運動を行うことが骨粗鬆症予防になることも付け加えた。

 その他、夏場の疲労回復、減塩効果、むくみを取る、血液サラサラ効果、血圧を正常化する、血糖値の上昇を抑える、コレステロールを低下させるなど、食中・食後に摂取すると効果が大きいことも紹介した。カルシウムと酢が相乗効果をもたらす。

 酢は塩と並ぶ古い調味料で紀元前5000年のバビロニアに記録があり、紀元前4000年ごろにはワインやビールのアルコールから酢を造っていたという。酢は「酒」から「作」られるので、漢字でいうと「酒のつくり」と「作のつくり」を合わせて「酢」になる。

 講演の後、酢を使ったレシピに従って参加者は家事に手慣れた様子で調理実習、楽しい食事会・懇談の時間を共に過ごした。


●酢辛湯(サンラータン)(2人分)

 ・豚こま肉 50㌘
   下味(酒 小さじ1、塩 ひとつまみ)
 ・干しシイタケ 小2枚
 ・ピーマン 1個
 ・にんじん 40㌘
 ・玉ねぎ 4分の1個
 ・水 400㏄(干しシイタケの戻し汁と合わせて)
 ・鶏ガラスープの素 小さじ2分の1
 ・片栗粉 適量
 ・卵 1個
 ・調味料
 (醤油 大さじ2分の1、酢 大さじ1~1と2分の1、黒こしょう 適量)
 ・ラー油 適量

1、豚肉は細切りにし、酒と塩をもみ込む。干しシイタケはたっぷりの水に漬けて戻す。

2、にんじんは千切り、戻した干しシイタケ、ピーマンと玉ねぎは細切りにする。

3、湯(干しシイタケの戻し汁と合わせる)を沸かして鶏ガラスープを入れる。肉を入れてアクを取り、野菜も入れてアクを取りながら柔らかくなるまで5分ほど煮る。

4、野菜に火が通ったら、調味料で味付けする。水溶き片栗粉でとろみをつけ、溶き卵を全体に流し入れたら出来上がり、好みでラー油を掛ける。

◆   ◇   ◆

●豚肉の万願寺とうがらし巻きのお酢照り焼き(2人分)

 ・豚バラうす切り 180㌘
 ・万願寺とうがらし4~6本
 ・タレ
   醤油  大さじ1
   みりん 大さじ1
   酢   大さじ1
 ・小ねぎ  1本
 ・付け合わせ(トマト、レタス 少々)

1、豚肉を広げ、万願寺とうがらしに巻きつけていく。ねぎは小口切りにする。タレの材料を混ぜる。

2、フライパンを中火で熱し、1の巻き終わりを下にして焼く。

3、2分ほど焼いて焼き色がついたら裏返し、焼き色がつくまで1~2分焼く。

4、焼けていない面が焼けるよう、転がしながら全体に焼き色をつける。

5、余分な油をキッチンペーパーで拭き取り、タレを流し入れる。火を強め、肉を転がすようにし、絡めながら煮詰める。器に盛り、小口切りにしたねぎを上に散らす。

(田内しょうこ氏のレシピを転載)