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朝鮮学校、教育是正と運営透明化が必要


 国が高校授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外したのは違法として、広島朝鮮高級学校(広島市東区)の運営法人と同校の卒業生ら109人が、国に除外の取り消しや総額約5600万円の損害賠償を求めた訴訟で、広島地裁は除外は適法との判決を下し、訴えを退けた。

 学校運営に対する北朝鮮や朝鮮総連の影響力を踏まえたもので、妥当な判決だ。

 無償化除外に適法判決

 広島地裁の小西洋裁判長は、支援金が流用される恐れがあるとした国側の主張について「根拠となる事実が証拠上認められる」と述べた。別件の民事訴訟の判決で学園側から朝鮮総連広島県本部への融通金など5000万円の出金が認定されたことや、学園が貸し付けを受けた資金が同本部からの付け替えだったとの記載があることを重視したものだ。

 高校無償化は民主党政権時代の2010年4月に始まった。公立高校で授業料を徴収せず、私立高校生には就学支援金が支給される制度で、外国人学校などは文部科学相の指定を受ける必要がある。これに基づき、朝鮮学校への適用の可否が審査された。

 しかし、自民党の政権復帰直後の12年12月、当時の下村博文文科相が北朝鮮による日本人拉致問題で進展が見られない中、「国民の理解が得られない」として無償化を適用しない方針を表明。13年2月に不指定通知を出した。

 朝鮮学校をめぐっては、審査当初から北朝鮮の独裁者をたたえる教育や不透明な経理が問題になっていた。朝鮮学校の教科書は北朝鮮の検閲の下、朝鮮総連傘下の教科書編纂委員会が編集してきたが、特定の政治的主張を教育に持ち込むことを禁じた教育基本法との整合性が問われた。

 今回の裁判で、原告は無償化適用除外について「民族教育を受ける権利や、憲法上の平等権の侵害」などと主張。しかし、広島地裁は「支給要件に該当しないためで、民族を理由としたものではなく、違憲ではない」と判断した。

 適用を受けるには、教育内容の是正や学校運営の透明化を進める必要がある。「権利の侵害」を持ち出すのは筋違いだ。

 朝鮮学校の教科書では拉致問題解決を求める動きについても、民族差別であるかのように記している。これも容認し難い。拉致は北朝鮮による国家犯罪であり、重大な人権侵害だ。このことをきちんと生徒に伝えることができなければ、まともな教育内容だとは到底言えない。

 朝鮮学校に影響力を及ぼしている朝鮮総連は、日本人拉致のほか、北朝鮮による対南工作やテロなどへの関与が指摘されている。朝鮮学校で適正な学校運営がなされているか日本政府が懸念するのも当然だ。

 裁判では実態に迫れ

 朝鮮学校への無償化適用除外をめぐっては現在、広島地裁を含む全国の5地裁・支部で国家賠償などを求める訴えが起こされている。大阪地裁では今月末、東京地裁では9月に判決が言い渡される予定だ。裁判では偏向した教育や不透明な学校運営の実態に迫る必要がある。