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学力テスト、切磋琢磨で一層の向上を


 小学6年と中学3年を対象に4月に行われた全国学力テストの結果が公表された。都道府県別では、下位層の成績が全国平均に近づく傾向が続き、地域間格差が一段と縮小した。喜ばしいことであり、一層の学力向上を目指したい。

 地域間の格差が縮小

 学力テストは2007年度、ゆとり教育による学力低下批判を受けて43年ぶりに復活。今年度は、全国の国公私立小中計2万9428校の約207万3000人が、国語と算数・数学の基礎知識を問うA問題と活用力を試すB問題に解答した。

 都道府県別の公立校の標準化得点(平均正答数が100となるように標準化した得点)の上位と下位の各3自治体の平均を比較すると、中学数学Bを除く全ての問題で前年度から差が縮小した。

 かつて総じて最下位クラスだった沖縄県は、小学校の全てで全国平均を上回った。昨年6位だった算数Aは4位、26位だった算数Bが11位になるなど順位も着実に上げている。

 沖縄県では、県教委が指導主事らを小中学校に派遣し、授業見学で気付いた課題を伝える取り組みを進めている。昨年度の派遣校は延べ約300校に上った。また、トップクラスの秋田県に小中学校教員を派遣し、ノウハウを学ぶなどの努力が実を結んだ形だ。他の自治体でも、一層の学力向上に向けて工夫を重ねてほしい。

 国による全国テストは1960年代にも実施された。だが、日教組が「民主的教育を破壊する」として反対運動を展開した影響などで中断した。

 現在も学力テストに対しては「競争をあおる」との批判がある。しかし競争によって他と比較し、課題が明確にならなければ学力向上は望めない。学力テストの復活が、教員に他の地域や学校と切磋琢磨(せっさたくま)する意識をもたらしたとの指摘もある。

 復活から今年で10年目を迎えた。民主党政権下では、対象校を全体の3割とする抽出方式が導入されたこともあった。この時は抽出校以外の学校も多く参加したが、自主参加した場合の費用は市町村の負担となった。このやり方では自治体の財政事情などで学力格差が拡大することが懸念される。現行の全員参加方式を続けるべきだ。

 今回の学力テストでは、基礎問題は小中とも良好だったが、応用問題は各教科の正答率が4~6割台にとどまった。いかに応用力を伸ばすかが今後の課題となる。各学校や教委で成功体験を共有するなどの取り組みを進めてほしい。

 教員の熱意と努力が重要

 一方、文科省は今回、公立小中学校を対象に、経済状況が苦しい家庭の子と指導法の関係について調査した。区市町村からの就学援助を受ける家庭の子の在籍割合が高い学校は、正答率が低い傾向が見られた。

 だが教員が学習意欲を高める工夫をしている場合、そうでない学校と比べて正答率が最大で10ポイント以上高いことが分かったという。このような子たちのために放課後の補習を行う学校もある。経済格差を教育格差につなげないためには、教員の熱意と努力が重要だ。